アマチュア無線家にとって、コールサインは単なる識別符号ではありません。それは、無線家一人ひとりの歴史であり、誇りであり、そして仲間との絆の証です。そのコールサインの根幹をなす「プリフィクス」に、序列が存在することをご存知でしょうか?コールサイン研究の第一人者、JJ1WTL・本林良太氏が毎年発表している「雑魚プリフィクスランキング」は、国内のプリフィクス事情を可視化し、アマチュア無線界のトレンドを映し出す貴重なデータとして、多くのハムの注目を集めています。2025年末版のランキングが、ついに公開されました。あなたのコールサインは、ありふれた「雑魚」なのか、それとも誰もが羨む「希少種」なのか。その答えが、ここにあります。
あなたのコールサインはありふれている?それとも希少?2025年末「雑魚プリフィクスランキング」で見るアマチュア無線の今
アマチュア無線家にとって、自らのコールサインは唯一無二のアイデンティティです。そのプリフィクス(接頭辞)が、国内でどれくらいの局数存在するのか、気になったことはありませんか?毎年恒例となっている、コールサイン研究の第一人者、JJ1WTL・本林良太氏による「雑魚プリフィクスランキング」の2025年末版が発表されました。このランキングは、単なる局数の多寡を示すだけでなく、アマチュア無線界の歴史やトレンドを映し出す貴重な資料でもあります。あなたのコールサインの「希少価値」は?そして、その背景に隠された物語とは?早速その内容を詳しく見ていきましょう。
2025年末ランキングのハイライト:JK1がトップを維持、JK0が新登場

2025年12月24日時点の総務省のデータを基に集計された今回のランキング。まず注目すべきは、国内のプリフィクス総数が、新たに「JK0」が加わったことで177に増加した点です。これは、0エリア(信越)におけるアマチュア無線活動の新たな広がりを示唆しているのかもしれません。
そして、局数が最も多い、いわゆる「雑魚プリフィクス」の頂点に立ったのは、3年連続で「JK1」でした。これは、アマチュア無線が最も盛んな1エリア(関東)において、過去に失効したコールサインが再割り当てされていることが主な要因です。アマチュア無線人口の増減が、プリフィクスの分布にダイレクトに影響を与えていることが見て取れます。
ランキング深掘り:あなたのプリフィクスの希少性を探る

ランキングの面白さは、自分のコールサインがどの位置にいるのかを確認できる点にあります。本林氏のブログでは、全177プリフィクスの順位が詳細なデータと共に公開されています。ここでは、特に興味深い動向をいくつかピックアップして解説します。
① 局数の増減から見えるエリアごとの動向
本林氏のブログでは、2024年末からの1年間でのプリフィクスごとの局数増減も分析されています。例えば、「JL1」や「JS2」、「JQ3」といったプリフィクスでは局数が増加している一方で、「JO4」や「JM8」などでは減少が見られます。これは、各エリアにおける新規開局者の数と、局の閉局・失効数のバランスを反映しています。あなたのエリアのプリフィクスは増えているでしょうか、それとも減っているでしょうか?
| プリフィクス | 2024年末局数 | 2025年末局数 | 増減 | エリア |
|---|---|---|---|---|
| JL1 | 4194 | 6773 | 増 | 関東 |
| JS2 | 9328 | 9467 | 増 | 東海 |
| JQ3 | 7369 | 7550 | 増 | 近畿 |
| JO4 | 5239 | 5224 | 減 | 中国 |
| JJ5 | 6335 | 6137 | 減 | 四国 |
| JF6 | 4368 | 4858 | 増 | 九州 |
| JQ7 | 3092 | 3578 | 増 | 東北 |
| JM8 | 9210 | 9107 | 減 | 北海道 |
| JF9 | 3305 | 3230 | 減 | 北陸 |
| JK0 | – | 293 | 増 | 信越 |
② 幻のプリフィクス「7J」の物語
アマチュア無線家なら誰もが憧れる(かもしれない)希少プリフィクス。その筆頭が「7J」シリーズです。かつて日本在住の外国籍の個人局にのみ割り当てられたこのプリフィクスは、1999年に新規発給が停止されました。その後、局の閉局に伴いその数を減らし、今回の調査でついに「7J5」「7J7」「7J9」が消滅してしまいました。これらのコールサインを持つハムとのQSOは、今となっては非常に貴重な体験と言えるでしょう。プリフィクスの歴史は、国際交流の歴史そのものでもあるのです。
ランキングの向こう側に見えるもの:再免許率とアマチュア無線の未来

本林氏の分析は、単なる局数ランキングに留まりません。ブログでは「再免許率」という興味深いデータも提示されています。これは、一度失効したコールサインが、期間を置いて再び同じ人に割り当てられる(カムバックする)割合を示すものです。直近1年間の7エリア(東北)のデータでは、再免許率が50.4%であったと報告されています。これは、約半数のハムが、一度は無線から離れたものの、再び情熱を取り戻しカムバックしていることを意味します。
この数字は、アマチュア無線という趣味の根強い魅力と、コミュニティの温かさを示しているのではないでしょうか。新しい技術や運用スタイルが登場する一方で、古き良き伝統も受け継がれていく。プリフィクスランキングは、そんなアマチュア無線のダイナミックな姿を私たちに教えてくれます。
まとめ
JJ1WTL・本林氏による「雑魚プリフィクスランキング」は、自分のコールサインの立ち位置を知る面白い指標であると同時に、アマチュア無線界の過去、現在、そして未来を考えるきっかけを与えてくれます。局数が多かろうが少なかろうが、あなたのコールサインには、あなただけのQSOの思い出や、無線への情熱が詰まっているはずです。
ぜひこの機会に、本林氏のブログでご自身のプリフィクスの順位を確認し、その背景にある物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。そして、これからもその大切なコールサインで、世界中の仲間との交信を楽しんでいきましょう。73!


