まもなく迎える2026年のお正月、アマチュア無線家にとって欠かせないイベントといえば、JARL主催の「QSOパーティ」ですよね。
今年は大きなニュースがあります。なんと、2026年から電子ログ提出が可能になり、参加のハードルがグッと下がるんです。これまで郵送のみだった書類提出が、ついにオンラインで完結できるようになりました。
この記事では、QSOパーティ2026の規約改定の詳細から、電子ログ提出の方法、電子ステッカーの使い方まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。今年こそQSOパーティに参加したいと考えている方、ぜひ最後までお読みください。
QSOパーティ2026の規約改定とは?

2026年1月に開催される第79回QSOパーティから、これまでの規約が大きく改定されました。
最大の変更点は、電子ログ提出が可能になったことです。これにより、参加者は郵送と電子提出の2つの方法から、自分に合った提出方法を選べるようになりました。
電子ログ提出がついに実現
これまでQSOパーティでは、参加記念のステッカーを郵送する関係上、書類提出は郵送のみに限定されていました。
しかし2026年からは、他のJARL主催コンテストと同様に、電子ログでの提出が選択できるようになったのです。電子ログで提出した場合、電子データ形式の記念ステッカーが、提出時に記載したメールアドレス宛に届きます。
これは、JARL事務局が毎年8,500通以上の参加書類を受領し、返信用封筒を確認してステッカーを返送するという膨大な作業を軽減する目的もあります。
電子ステッカーと電子台紙の新機能
電子ログで提出した参加者には、PDF形式の電子ステッカーが発行されます。
この電子ステッカーは、プリンタで印刷することもできますし、同じく電子化された台紙に仮想ステッカーとして貼り付けることもできます。電子台紙を使えば、スマホやパソコンで手軽にステッカーコレクションを管理できるようになります。
ハムフェア2025の会場では、JARLコンテスト委員会による電子ステッカー・電子台紙のデモンストレーションが行われ、多くの参加者が実際に体験しました。
従来の紙ログ提出も継続可能
もちろん、従来通りの紙ログ提出も引き続き可能です。
紙ログで提出した場合は、これまで通りシール型の記念ステッカーが郵送されます。返信用封筒(郵便番号、住所、氏名を記入して、返送用切手を貼った定形封筒)を同封する必要があります。
シール型ステッカーの質感や、実際に台紙に貼る楽しみを味わいたい方は、紙ログ提出を選択するとよいでしょう。
電子ログ提出で何が変わるのか

電子ログ提出の導入により、参加者にとって多くのメリットが生まれました。
特に、郵送手続きの手間が大幅に削減されることは、多くの参加者にとって朗報です。
郵送手続きが不要に
電子ログで提出すれば、郵便局に行く必要がありません。
自宅にいながら、パソコンやスマホから簡単に提出が完了します。締切ギリギリでも、インターネット環境さえあれば安心して提出できます。
特に、遠方に住んでいる方や、郵便局が近くにない方にとっては、大きな利便性向上となります。
返信用封筒の手間が削減
これまでは、返信用封筒を用意するのが意外と面倒でした。
封筒に郵便番号、住所、氏名を記入し、110円切手を貼って同封する必要がありました。封筒のサイズや切手の金額を間違えると、ステッカーが届かないこともありました。
電子ログ提出なら、こうした手間が一切不要になります。
提出方法の選択肢が増加
参加者のライフスタイルや好みに合わせて、提出方法を選べるようになりました。
デジタル派の方は電子ログ、アナログ派の方は紙ログと、自分に合った方法で参加できます。これにより、QSOパーティへの参加がさらに身近になったと言えるでしょう。
詳細はJARL公式サイトのQSOパーティ規約ページをご確認ください。
電子ログの提出方法を詳しく解説
電子ログの提出方法は、大きく分けて2つあります。
どちらの方法も簡単ですので、初めての方でも安心して提出できます。
提出方法①:Webアップロード
最も簡単な方法は、JARL電子ログ提出用Webページからアップロードする方法です。
提出先URL:https://contest.jarl.org/upload
このページにアクセスし、画面の指示に従ってJARL電子ログ形式で作成したデータをアップロードするだけです。アップロードが完了すると、確認メールが届きます。
提出方法②:メール送信
メールでの提出も可能です。
提出先メールアドレス:nyp@jarl.org
JARL電子ログ形式で作成したデータを、テキストメールとして上記アドレスに送信してください。件名には「QSOパーティ2026 電子ログ提出」などと記載すると分かりやすいでしょう。
提出に必要な準備物
電子ログ提出に必要なものは、以下の通りです。
- JARL電子ログ形式で作成したログデータ
- 提出時に記載するメールアドレス(電子ステッカー受信用)
- インターネット接続環境
ログデータの作成には、ロギングソフトを使用すると便利です。多くのロギングソフトがJARL電子ログ形式での出力に対応しています。
電子ステッカーと電子台紙の使い方

電子ログで提出した参加者には、電子ステッカーが発行されます。
この新しいシステムについて、詳しく見ていきましょう。
電子ステッカーとは?
電子ステッカーは、PDF形式で発行される参加記念ステッカーです。
提出時に記載したメールアドレス宛に、提出局のコールサインが入った印刷用電子記念ステッカーが届きます。このPDFファイルは、プリンタで印刷して、従来の台紙に貼ることもできます。
JARL会員・非会員に関係なく、電子ログで提出したすべての参加者に発行されます。
電子台紙で仮想ステッカーを管理
電子台紙を使えば、仮想ステッカーを電子台紙に貼り付けることができます。
スマホやパソコンで、いつでもどこでも自分のステッカーコレクションを確認できます。紙の台紙を保管する場所が不要になるのも、大きなメリットです。
電子台紙の使い方については、JARL公式サイトのQSOパーティ情報ページで詳しく解説されています。
従来のシール型ステッカーとの違い
シール型ステッカーは、実際に手に取って台紙に貼る楽しみがあります。
一方、電子ステッカーは、デジタルデータとして保管できるため、紛失の心配がありません。また、郵送の手間や時間がかからないため、提出後すぐに受け取ることができます。
どちらを選ぶかは、参加者の好みやライフスタイル次第です。
QSOパーティ2026の開催概要
ここで、QSOパーティ2026の開催概要を確認しておきましょう。
規約改定以外の部分は、基本的に従来通りです。
開催日時と参加条件
開催日時は、2026年1月2日09時00分から7日21時00分(JST)です。
連続132時間の開催となり、正月休みを含む期間なので、多くの方が参加しやすいスケジュールです。参加条件は、完全な交信局数が20局以上のアマチュア局、または完全な受信局数が20局以上のSWLが書類を提出することです。
参加資格は、アマチュア局およびSWLで、特別な資格は必要ありません。
交信内容と参加部門
交信内容は、相手局のシグナルレポート+オペレータの名前です。
オペレータの名前は、通称・ニックネーム・イニシャル・ハンドルネームなども可です。呼び出しは、電話なら「CQ NEW YEAR PARTY」、電信なら「CQ NYP」です。
参加部門は、アマチュア局(コードナンバー:30)とSWL(コードナンバー:31)の2つです。
提出締切と提出先
提出締切は、2026年1月31日です。
電子ログの場合は、Webアップロード(https://contest.jarl.org/upload)またはメール送信(nyp@jarl.org)で提出します。紙ログの場合は、郵送(〒170-8073 東京都豊島区南大塚3-43-1 JARL QSOパーティ係)で提出します。
締切を過ぎると受理されませんので、余裕を持って提出しましょう。
十二支ステッカー集めの楽しみ

QSOパーティの大きな魅力の一つが、十二支ステッカー集めです。
毎年参加して、12年かけて十二支を完成させるのは、多くのアマチュア無線家の目標となっています。
12年で十二支完成
毎年、その年の干支のイラストに「NEW YEAR PARTY」の12文字のうち1つをあしらったステッカーが発行されます。
これを台紙に貼り、12年参加で十二支を完成させるのがQSOパーティの楽しみです。2026年は午年のステッカーが発行されます。
毎年コツコツと集めていく過程が、アマチュア無線を続けるモチベーションにもなります。
記念楯を目指す楽しみ
十二支すべてのステッカーを集めた局は、有償の記念楯を購入することができます。
さらに、2巡目、3巡目、4巡目を達成した局は、より豪華な仕様の記念楯が購入できます。ゴールドの記念楯を手に入れるには、最低でも48年間の参加が必要です。
長く続けることで得られる達成感は、何物にも代えがたいものです。
電子ステッカーでも集めることができる
電子ステッカーでも、十二支を集めることができます。
電子台紙に仮想ステッカーを貼り付けていけば、デジタルで十二支コレクションを完成させることができます。紙の台紙と電子台紙、どちらで集めるかは参加者の自由です。
両方で集めるという楽しみ方もありますね。
QSOパーティの歴史と進化
QSOパーティは、長い歴史を持つイベントです。
その歴史を振り返ることで、今回の規約改定の意義がより深く理解できます。
1953年から続く伝統
JARL主催の「QSOパーティ」は、1953年5月5日に「第1回 国内QSOパーティ」として開催されたのがルーツです。
戦後アマチュア無線が再開した翌年のことでした。その後1958年からは正月の開催となり、アマチュア無線家の新年の風物詩として定着しました。
70年以上続く伝統あるイベントなのです。
2021年の大きな変更
2021年には、開催期間が大きく延長されました。
それまで1月2日の9時から1月3日の21時まで(連続36時間)だったものを、1月7日の21時まで(連続132時間)に延長しました。これにより、正月休みを含む期間全体で参加できるようになり、参加しやすさが大幅に向上しました。
この変更以降、参加局数は毎回8,500局以上を記録しています。
2026年の規約改定の背景
今回の電子ログ提出対応は、参加者とJARL事務局の双方にメリットがあります。
参加者にとっては、郵送の手間が省け、提出がより簡単になります。JARL事務局にとっては、8,500通以上の書類処理とステッカー返送作業が軽減されます。
デジタル化の流れに対応しつつ、伝統を守る工夫がなされた改定と言えるでしょう。
詳しくは、月刊FBニュース2025年12月号の記事をご覧ください。
参加初心者向けガイド

初めてQSOパーティに参加する方のために、基本的なガイドをまとめました。
これを読めば、安心して参加できます。
QSOパーティに参加するために必要なもの
QSOパーティに参加するための特別な資格は必要ありません。
アマチュア無線の免許を持っていれば、誰でも参加できます。必要なものは、無線機、アンテナ、ロギング用のノート(またはロギングソフト)、そして参加する意欲だけです。
SWL(受信専門)でも参加できますので、送信設備がなくても大丈夫です。
初心者でも20局以上と交信するコツ
20局以上と交信するのは、意外と簡単です。
開催期間が132時間もあるので、1日あたり3〜4局と交信すれば達成できます。CQを出すのが苦手な方は、他局のCQに応答するだけでもOKです。
HFバンドの7MHz、14MHz、21MHzあたりを中心に、電話(SSB)や電信(CW)で呼びかけてみましょう。
電子ログ作成の基本ステップ
電子ログの作成は、ロギングソフトを使うと簡単です。
多くのロギングソフトが、JARL電子ログ形式での出力に対応しています。交信データを入力し、出力形式で「JARL電子ログ」を選択して保存するだけです。
サマリーシートの情報(コールサイン、氏名、住所、メールアドレスなど)を忘れずに入力しましょう。
まとめ:2026年のQSOパーティはさらに参加しやすく
QSOパーティ2026の規約改定により、電子ログ提出が可能になりました。
これにより、郵送の手間が省け、参加のハードルが大きく下がりました。電子ステッカーと電子台紙の導入で、デジタル時代に対応した新しい楽しみ方も生まれました。
もちろん、従来の紙ログ提出とシール型ステッカーも継続されますので、自分に合った方法で参加できます。2026年1月2日から7日まで、お正月の電波の上での賀詞交換会を、ぜひ楽しんでください。
私JA3CGZも、今年は電子ログ提出に挑戦してみようと思っています。皆さんも一緒に、新しいQSOパーティを体験しましょう。73!


