【完全ガイド】モールス信号での英語交信 | 海外局と繋がる必須フレーズ&略号集

アマチュア無線の醍醐味といえば、やはり海外局との交信（DX）です。 しかし、「英語が苦手だから…」という理由で、せっかくのチャンスを逃してはいませんか？

ご安心ください。モールス信号（CW）の交信において、高度な英語力は一切不要です。 なぜなら、CWの交信は9割が「ラバースタンプ（ゴム印）」と呼ばれる定型文のやり取りだからです。

この記事では、「これさえ手元にあれば怖くない」という、英語交信のための虎の巻をご用意しました。

• 最低限覚えるべき必須略語リスト
• そのまま送信するだけの完全交信台本
• 聞き取れなかった時のトラブル対応フレーズ

これらを印刷してシャック（無線室）に置き、今日から世界への扉を開きましょう！

英語が苦手でも大丈夫！CWは「世界共通語」です

「国内交信（和文・欧文）には慣れてきたけれど、海外局（DX）との交信はちょっと怖い…」 「英語が苦手だから、何を打てばいいのか分からない…」

そんな風に感じて、せっかくのコンディションが良い日でも、海外局のCQに応答するのを躊躇していませんか？

実は、アマチュア無線のCW（モールス信号）交信において、高度な英語力はほとんど必要ありません。

なぜなら、日常的な交信の9割以上は「ラバースタンプQSO（Rubber Stamp QSO）」と呼ばれる、判で押したような定型文のやり取りで成立しているからです。決まったフレーズと略語さえ覚えてしまえば、世界中の無線家とコミュニケーションを取ることができます。

この記事では、海外交信デビューを目指すあなたのために、最低限これだけ覚えればOKという略語と、そのまま使える交信の台本（スクリプト）をまとめました。これを印刷して手元に置き、ぜひ世界への扉を開いてください！

1. これだけ覚えればOK！必須の略語集

CWでは通信速度を上げるために、多くの単語が短縮形（略語）で送信されます。最初は暗号のように見えるかもしれませんが、パターンさえ掴めば簡単です。

挨拶・返事・接続詞

相手への呼びかけ・終了

2. そのまま使える！ラバースタンプQSO完全台本

ここでは、最も一般的な「ショートQSO（短時間交信）」の流れを再現します。この通りに打てば、立派なDX交信の成立です。

シチュエーション： * あなた（自局）： JA3CGZ（大阪） * 相手（相手局）： W1AW（アメリカ）

Step 1: 相手を呼ぶ（Calling）

相手が「CQ CQ CQ DE W1AW W1AW K」と打っているのが聞こえました。タイミングを見計らって呼びます。

• ポイント: 相手のコールサインを1回、DE、自分のコールサインを2〜3回打ちます。

Step 2: 応答があったら（RSTレポートを送る）

相手があなたに気づいて応答してくれました。「JA3CGZ DE W1AW GM UR 599 599 BK」

これに対して、あなたもレポート（信号強度）を送り返します。

• 解説:
  • GM DR OM: おはよう、親愛なるOM（Old Man＝先輩無線家、男性への敬称）
  • TNX FOR CALL: 呼んでくれてありがとう
  • UR RST 599: あなたの信号は599（非常に強力）です

Step 3: 名前とQTH（場所）を伝える

コンテスト以外では、名前と場所を交換するのがマナーであり楽しみです。

• 解説:
  • NAME IS ...: 名前は〜です（2回繰り返すと親切）
  • QTH IS ...: 場所は〜です（主要都市名を伝えると分かりやすい）
  • HW ?: (How do you copy?) いかがですか？

Step 4: 相手の情報を確認してファイナルへ

相手からも「NAME IS BOB, QTH IS BOSTON」と返ってきました。これを確認（QSL）して、交信を終わります。

• 解説:
  • RRR: 全て了解しました（Rを連打）
  • TNX FOR FB QSO: 素晴らしい交信をありがとう（FB = Fine Business = 素晴らしい）
  • HPE CU AGN: (Hope to see you again) またお会いしましょう
  • TU E E: ありがとう（トト） ※最後の「トト」は別れの合図のようなもの

3. 困った時に役立つQ符号とフレーズ

交信中に相手の信号が弱くなったり、速すぎて聞き取れなかったりしても焦る必要はありません。以下のフレーズを使って聞き返しましょう。

聞き取れなかった時

• もう一度お願いします: RPT または PSE RPT
• 名前だけもう一度: NAME ?
• QTHだけもう一度: QTH ?

相手が速すぎる時

• ゆっくり打ってください: QRS
• もっとゆっくり: PSE QRS

待ってほしい時

• 少し待ってください: AS
• 1分待って: QRX 1

よく使うQ符号（疑問形と肯定形）

Q符号は、文末に「?」をつけると疑問文、つけないと肯定文（答え）になります。

まとめ：まずは受信から始めよう

いかがでしたか？ 「これなら自分にもできそう！」と思っていただけたなら幸いです。

いきなり送信するのが怖い場合は、まずはワッチ（受信）から始めてみてください。7MHz帯や14MHz帯のCWを聞いてみると、驚くほど多くの局が、今回紹介した「ラバースタンプQSO」の形式で交信していることに気づくはずです。

「あ、今『GM』って打った！」 「『UR 599』って言ってるな」

耳が慣れてくれば、恐怖心は自信へと変わります。 勇気を出して、世界に向けてキーを叩いてみましょう。あなたの「CQ」に応答してくれる海外局が、きっと待っています。

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