1kWリニアアンプの世界に、新たな選択肢が登場しました。アツデン株式会社が満を持して送り出す「AZR-1000」は、「国産最小・最軽量」を謳い、そのコンパクトな筐体に最新技術を凝縮した意欲作です。
本記事では、長年の定番モデルであるIcom「IC-PW2」との徹底比較を通じて、AZR-1000が持つ独自の魅力と実力に迫ります。移動運用でのポテンシャル、AC100V環境での柔軟性、そしてコンテスター注目のSO2R機能まで、あらゆる角度からその真価を解き明かしていきます。
【比較検討】AZR-1000 vs IC-PW2 徹底比較!選ぶべきはどっち?
1kWリニアアンプの購入を検討する際、多くの方が比較対象として挙げるのが、Icomの「IC-PW2」ではないでしょうか。ここでは、アツデンの「AZR-1000」とIC-PW2の主な違いを徹底的に比較し、それぞれの特徴を明らかにしていきます。

① 重量とサイズ:「国産最小・最軽量」のインパクト
まず最も大きな違いは、その重量とサイズです。AZR-1000が約14.3kgであるのに対し、IC-PW2は約22kgと、その差は約7.7kgにもなります。これは、移動運用や設置場所の変更を頻繁に行うアクティブなハムにとって、非常に大きなアドバンテージと言えるでしょう。「国産最小・最軽量」というキャッチコピーは伊達ではありません。
② 電源対応の柔軟性:AC100Vで運用できる強み
AZR-1000の特筆すべき点は、AC100V電源に対応していることです。AC200V環境では1kWのフルパワーを発揮しますが、AC100Vでも500W〜700W(PEP)程度の安定した運用が可能です。これは、200Vの電源工事が難しい集合住宅にお住まいのユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。一方、IC-PW2もAC100Vに対応していますが、AZR-1000の柔軟性は大きな強みです。
③ SO2Rへの配慮:コンテスター注目の機能
コンテストに参加するオペレーターにとって、SO2R(Single Operator, 2 Radios)機能は非常に重要です。AZR-1000は2系統の入力端子を備え、2台のトランシーバーを接続してスムーズなバンド切り替えが可能です。さらに、5系統のアンテナ出力とAUX端子により、複雑なアンテナシステムの構築にも柔軟に対応します。この点は、コンテストでの勝利を目指すユーザーにとって、強力な武器となるでしょう。
【スペック重視】AZR-1000の魅力を深掘り!移動運用から固定局まで

AZR-1000がもたらす運用スタイルの変化
AZR-1000は、単に小型軽量なだけではありません。その内部には、最新の技術とユーザーの利便性を追求した数々の工夫が凝らされています。
① 最新LDMOS採用による高効率・高信頼性
心臓部には、最新の半導体デバイスであるLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)「MRF1K50H」を採用。これをプッシュプル接続することで、余裕のある1kW出力を安定して供給します。LDMOSは高効率かつ高信頼性が特徴であり、長時間の運用でも安心して使用することができます。
② 新スプリアス規格対応のハイブリッドフィルター®
スプリアス対策として、アツデンが独自に開発した「ハイブリッドフィルター®」を搭載。ローパスフィルターとハイパスフィルターを組み合わせることで、不要な電波を効果的に減衰させます。これにより、新スプリアス規格を十分なマージンをもってクリアしており、安心して運用に集中できます。
【ハウツー】AZR-1000購入後の手続きと使い方

AZR-1000の導入ステップ
1kWリニアアンプを導入するにあたり、免許申請や接続設定は避けて通れない道です。ここでは、AZR-1000をスムーズに使い始めるためのポイントを解説します。
AZR-1000は技術基準適合証明を取得していないため、使用するにはTSS株式会社の保証認定を受けるか、総合通信局の直接検査を受ける必要があります。多くの場合、TSSの保証認定を利用するのが一般的です。申請書類や手続きの詳細は、TSSのウェブサイトで確認しましょう。
② 接続と設定のポイント
AZR-1000は、トランシーバーとのデータ接続により、バンド切替やアンテナ切替を自動で行うことができます。お使いのトランシーバーに対応した接続ケーブルを用意し、取扱説明書に従って正しく設定してください。特に、励振電力は約50Wと、多くの100W機に対して調整が必要になる点に注意が必要です。
まとめ
アツデンのAZR-1000は、「国産最小・最軽量」という強力な個性を持ちながら、AC100V対応の柔軟性やSO2Rへの配慮など、現代のアマチュア無線家のニーズに的確に応える1kWリニアアンプです。
移動運用を楽しみたいアクティブな方、設置スペースに制約がある方、そしてコンテストで上位を目指す方にとって、AZR-1000は最高のパートナーとなるでしょう。


