アマチュア無線ファンの皆さん、こんにちは!JA3CGZです。2016年の発売以来、HF機の世界に革命をもたらしたICOMのベストセラー機、IC-7300。その待望の後継機「IC-7300MK2」がついに発表され、アマチュア無線界隈は今、この話題で持ちきりです!私自身、長年IC-7300を愛用してきた一人として、このモデルチェンジには大きな期待を寄せています。
「実際のところ、前モデルと何が違うの?」「買い替えるほどの価値はある?」「価格は?」など、多くのハムが抱くであろう疑問に、この記事が全てお答えします。本記事では、IC-7300MK2の開封レビューから、注目の新機能、そして気になるIC-7300との違いまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく徹底解説していきます。HF機の購入を検討している方、IC-7300からのステップアップを考えている方は、ぜひ最後までご覧ください!
目次
IC-7300MK2の基本スペック
まずは、IC-7300MK2がどのような無線機なのか、その基本スペックから見ていきましょう。前モデルの強みを継承しつつ、現代の運用スタイルに合わせて各所がブラッシュアップされています。

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項目
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スペック詳細
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周波数範囲
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0.030~74.8MHz(送信:1.8~54MHzのアマチュアバンド)
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モード
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SSB, CW, RTTY, AM, FM, DV(D-STAR)
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出力
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100W (M: 50W, S: 10W)
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受信方式
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RFダイレクト・サンプリング方式
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ディスプレイ
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4.3インチ カラーTFTタッチパネル
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SDR機能
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リアルタイムスペクトラムスコープ、ウォーターフォール表示
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サイズ
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240 (W) × 94 (H) × 238 (D) mm
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重量
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約4.2kg
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価格
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オープン価格(実売予想価格:15万円前後)
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特筆すべきは、HF機入門機の価格帯でありながら、高級機に匹敵する「RFダイレクト・サンプリング方式」を前モデルから引き継いでいる点です。これにより、非常にクリアな受信性能を実現しています。サイズ感もコンパクトで、固定局はもちろん、移動運用にも最適な一台と言えるでしょう。
IC-7300からの主な進化点
さて、ここからが本題です。多くのユーザーが最も知りたいであろう、IC-7300からIC-7300MK2への「進化点」を、6つのポイントに絞って詳しく解説します。単なるマイナーチェンジではない、確かな性能向上に驚かれるかもしれません。

進化点①:受信性能の心臓部が大幅パワーアップ!
最も大きな進化は、受信性能の根幹をなすRMDR(Reciprocal Mixing Dynamic Range)とフェーズノイズ特性の向上です。少し専門的な話になりますが、これが非常に重要です。
•RMDRの向上: 隣接する強力な信号からの混信を抑え、目的の弱い信号をクリアに受信する能力です。都市部のノイズが多い環境や、コンテストでバンド内が混み合っている状況で、その真価を発揮します。
•フェーズノイズ特性の向上: 送受信信号の純度を高める指標です。これが改善されると、特にFT8などのデジタルモードで、より正確なデコードが期待できます。
IC-7300MK2は、これらの性能を大幅に改善しており、よりシビアなコンディションでも快適な運用を可能にしてくれます。まさに「聞こえない信号が聞こえるようになる」体験ができるかもしれませんね。
進化点②:ディスプレイと操作性の洗練
IC-7300の魅力だった大型カラータッチパネルも進化しました。タッチ感度が向上し、より直感的でスムーズな操作が可能になっています。メニュー構成も見直され、よく使う機能へのアクセスが簡単になりました。日々の使い勝手が着実に向上している点は、長く使う上で嬉しいポイントです。
進化点③:USB-C端子の採用とPC連携強化
時代の流れに合わせ、背面のUSB端子が従来のType-BからUSB Type-Cに変更されました。これにより、PCとの接続がより簡単かつ確実になります。さらに、PC上で2つのシリアルポートを認識できるようになったため、例えばロギングソフトとFT8のソフトを同時に、ケーブル1本で運用するといったことが可能になり、PC周りが非常にスッキリします。
進化点④:送信・受信音質の改善
無線機の基本である「音」も磨き上げられました。送信音はより明瞭に、そして受信音は長時間のリスニングでも疲れにくいようにチューニングされています。相手局からの「良い音ですね」というレポートが、さらに増えるかもしれません。
進化点⑤:冷却ファンの静音化
地味ながら非常に重要な改善点です。新しい冷却システムの採用により、ファンの動作音が大幅に静かになりました。これにより、静かなシャックで集中してDXハンティングに没頭できますし、長時間のコンテスト運用でも耳障りなノイズに悩まされることが少なくなります。
進化点⑥:外観デザインの微調整
基本的なデザインはIC-7300を踏襲しつつ、細部の質感が向上し、よりモダンで引き締まった印象になりました。所有する喜びを満たしてくれる、洗練されたデザインです。
前モデル(IC-7300)との比較表
進化点を一目でご理解いただくために、IC-7300とIC-7300MK2の主な違いを比較表にまとめました。買い替えを検討する際の参考にしてください。

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項目
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IC-7300
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IC-7300MK2
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発売年
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2016年
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2025年
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RMDR/フェーズノイズ
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標準
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大幅に向上
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USB端子
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Type-B
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Type-C
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PC連携
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1系統
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2系統同時利用可
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冷却ファン
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標準
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静音設計
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消費電力(待受時)
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0.9A
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0.7A(省エネ化)
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価格(発売時参考)
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約12万円
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約15万円(予想)
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実際の使用感(ももすけチャンネルの動画を参考に)
人気YouTuberのももすけさんが、早速IC-7300MK2の開封動画を公開されています。その動画を参考に、実際の使用感をレポートします。

開封の第一印象
まず目を引くのは、やはりその質感の高さ。IC-7300も素晴らしいマシンでしたが、MK2はさらに高級感が増している印象です。付属品はシンプルですが、必要なものは全て揃っており、すぐにでも運用を開始できます。
セットアップと操作性
電源を入れ、初期設定を進めていきます。タッチパネルの反応が非常に良く、サクサクと設定が進む様子が動画からも伝わってきます。特にスペクトラムスコープの表示速度や滑らかさは、プロセッサーの高速化の恩恵を実感できる部分でしょう。
受信性能
実際にアンテナを接続してワッチしてみると、ノイズの中から目的の信号が浮かび上がってくるようなクリアな受信音に驚かされます。これは進化したRMDRとノイズリダクション性能の賜物。これまでノイズに埋もれて諦めていた弱いDX局とのQSOも、夢ではなくなるかもしれません。
IC-7300MK2をおすすめする人・しない人
これまでの情報を踏まえ、あなたがIC-7300MK2を「買うべき」なのか、それとも「待つべき」なのか、私JA3CGZなりにまとめてみました。

おすすめする人
•これからHFを始める初心者の方: これ以上ないほどの高性能と使いやすさを兼ね備えた、最高の入門機です。この一台があれば、長くアマチュア無線を楽しめること間違いなしです。
•IC-7300以前の旧機種をお使いの方: 受信性能、操作性、PC連携など、全ての面で劇的な進化を体験できます。買い替えの価値は十分にあります。
•コンテストやFT8に本格的に取り組みたい方: 向上した受信性能と安定性が、あなたを勝利に導く強力な武器となるでしょう。
おすすめしない人(待っても良い人)
•IC-7300を最近購入し、現状に満足している方: IC-7300も依然として非常に優れた無線機です。進化は大きいですが、焦って買い替える必要はないかもしれません。ご自身の運用スタイルと予算を照らし合わせて、じっくり検討しましょう。
•予算を最優先に考えたい方: 新製品の登場により、高性能なIC-7300の中古品が手頃な価格で出回る可能性があります。そちらを狙うのも賢い選択です。
購入方法と価格情報
最後に、IC-7300MK2の購入方法と価格についてです。人気が予想されるため、早めの情報収集が鍵となります。

購入方法
全国の主要なアマチュア無線ショップや、オンラインショップで予約・購入が可能です。発売直後は品薄になる可能性が高いため、行きつけのショップがある方は、早めに予約注文を入れておくことを強くおすすめします。
価格と納期
価格はオープン価格ですが、実売価格は15万円前後になるのではと予想されています。これは、IC-7300の発売当初の価格より少し高めですが、性能向上を考えれば十分に納得できる範囲ではないでしょうか。納期に関しては、発売初期は数ヶ月待ちとなることも考えられます。最新情報は各販売店にご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ICOMの最新HF機、IC-7300MK2は、ベストセラー機の名に恥じない、まさに「順当かつ大幅な進化」を遂げた一台と言えます。IC-7300が切り開いたHF運用の新たな地平を、さらに先へと推し進めるポテンシャルを秘めています。
私、JA3CGZも、この新しい相棒と電波の世界を旅する日が待ち遠しくてたまりません。この記事が、あなたの次の無線機選びの、そして素晴らしいハムライフの一助となれば幸いです。
それでは、またバンドでお会いしましょう! 73!


