モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

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Originally posted 2025-01-11 19:19:54.

モールス信号は、単純な点と線の組み合わせで情報を伝える伝統的な通信手段です。そのシンプルさと効果的な設計により、小さな装置で遠距離通信が可能なため、非常時にも信頼性の高い通信方法として重宝されています。

また、音を言葉に変換するプロセスは独特の楽しさを伴い、アマチュア無線家に今も愛され続けています。

本記事では、モールス信号の歴史からその魅力、現代における活用法までを詳しく探り、高齢者から若者まで多くの方々に楽しんでいただける内容をお届けします。

✨この記事のポイント
  1. モールス信号とは?
  2. モールス信号の基本とその歴史
  3. アマチュア無線での重要性
  4. 歴史的な事件でのモールス信号の使用例
  5. モールス信号はさまざまな魅力を持っている
  6. モールス信号はシンプルで、効果的な設計、世界共通語
  7. モールス信号なら簡単な無線機で遠くまで届く
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目次

モールス信号とは?

モールス信号は、電信システムのために開発されました。

当時、長距離の迅速な通信手段が不足しており、情報の伝達は手紙や使者による物理的な方法に依存していました。そのため、情報の伝達には非常に時間がかかっていました。

モールス信号が開発されたことにより、情報を効率的に、迅速に遠隔地に伝達することが出来る様になりました。

モールス信号ってどんなもの?

モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

モールス信号は、短点(・)と長点(ー)を組み合わせてアルファベットや数字を表現する伝統的な通信手段です。アマチュア無線や緊急通信で広く使用されています。

モールス信号のアマチュア無線での重要性

モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

アマチュア無線においてモールス信号は、低電力で遠距離通信が可能なため、重要な役割を果たしています。
モールス信号は、サミュエル・モールスによって1837年に発明され、無線通信の基礎を築きました。音声通信が一般化するまでの間、無線通信の主要手段として海上や戦場での迅速な情報伝達に利用されました。

モールス信号は、通信衛星の登場や国際海事機関(IMO)の決定により、実用では使われていません。しかし、アマチュア無線や海上など特殊な用途では依然として重要な役割を果たしており、非常時の通信手段としても有効です。
また、モールス信号は、日本アマチュア無線連盟(JARL)がユネスコの無形文化遺産に登録することを目標に掲げています。

モールス信号の成り立ちと歴史

モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

モールス信号が発明されたころの受信機

モールスと彼のチームは、電気の信号を受信して紙テープに印を付ける機械を作りました。電気信号は電話線を利用して届けていました。

モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

アメリカの発明家サミュエル ・ モールス電信装置

1844年5月24日、モールスはワシントンからボルチモアへ向けて、「What hath God wrought?(※神は何をなし給うたのか?)」というメッセージを送信するデモンストレーションに成功しました。この成功はモールス信号の歴史的な一歩となりました。

モールス信号が発明された当時の受信機は紙テープに電磁石で動かした針の圧力で刻むエンボッシング方式を使用していました。この方法では、受信した信号が紙テープに記録され、受信者がその記録を読み取ることで文字に変換されました。

サミュエル・モールスが発明した電信装置は、主に電話線を使って通信を行いました。彼のシステムは、電気的な信号をワイヤー経由で送信するもので、最初は鉄道の信号用として開発されました。

電波通信(無線通信)が一般的になるのは、モールス信号の発明からかなり後のことです。

モールス信号の拡張と世界的なルール作り

モールス信号は最初に数字だけを伝えるためのものでしたが、アルフレッド・ベイルの尽力により、アルファベットや特殊文字(例えば「!」や「?」など)も扱えるようになりました。

この拡張により、モールス信号は単なる数字のやり取りを超えて、もっと複雑なメッセージを伝えることができるようになり、通信がより便利で効果的になりました。

モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

モールス信号変換表

1851年のベルリンでの会議で、フリードリヒ・ゲルケの改良を基に国際モールス信号が標準化され、1865年に国際電信会議で採用されました。.

サミュエル・モールスとは?

サミュエル・モールス

引用:wikipedia

サミュエル・フィンリー・ブリース・モールス(1791年4月27日 – 1872年4月2日)は、アメリカの画家であり発明家です。彼はモールス電信機を発明し、モールス符号(モールス信号)を開発しました。モールスはマサチューセッツ州チャールズタウンで生まれ、イェール大学で学びました。彼は肖像画家としても成功し、多くの著名人の肖像画を描きました。

モールスは電信の発明で最も有名ですが、画家としても評価が高く、特に肖像画で名を成しました。また、彼は反カトリックや反移民運動を支持するなど、政治的にも活動的でした。彼の発明は通信技術に革命をもたらし、世界中で広く使用されるようになりました。

アルフレッド・ヴェイルとは?

アルフレッド・ヴェイル

引用:Wikipedia.org

アルフレッド・ヴェィル(Alfred Vail)は、19世紀のアメリカの発明家であり、モールス信号の発展に大きく貢献した人物です。彼はサミュエル・モールスとともに電信技術を発展させ、モールス信号を使った通信システムの改良を行いました。

ヴェィルは、モールス信号を単なる数字からアルファベットや特殊文字にも対応できるように拡張し、実用性を高めるための努力をしました。また、彼は電信装置の設計や製造にも関与し、モールス電信の普及に貢献しました。ヴェィルの業績のおかげで、モールス信号はより多くの情報を効率的に伝えられるようになり、広く利用されるようになりました。

歴史的な事件でのモールス信号の使用例

1.タイタニック号の沈没事故でのSOS救難信号の使用

モールス信号は歴史的な使用例でもその重要性を示しています。特に、タイタニック号の沈没事故でのSOS救難信号の使用は有名です。

モールス信号の歴史とその魅力:無線通信の始まりを知ろう!

絵葉書 「タイタニック」所蔵:船の科学館

イギリスの豪華客船「タイタニック」は、処女航海中の1912年4月14日深夜、カナダのニューファウンドランド島沖で氷山に衝突し、翌4月15日未明に沈没、海底に沈みました。
2,200人を超える乗船者のうち、およそ7割にあたる約1,500人が犠牲になった事故は、当時の海難事故の最大死者数となり、世界に大きな反響を及ぼしました。

氷山に衝突した直後から船体が沈む瞬間まで、時間にして約2時間半の間、タイタニックの電信士はモールス符号「SOS(・・・ーーー・・・)」を打ち続けたところ、ニューヨークから地中海に向けて航行していたイギリスの客船「カルパチア」が遭難信号を受信し、現場へ急行して711人を救出しました。 

SOS信号は「・・・ — — — ・・・(トントントンツーツーツートントントン)」と表現され、世界共通の救難要請信号として広く使用されています。SOS信号は、「助けて」という意味のモールス信号として、一般の方々にも知られています。

ところで、「世界で最初にSOS信号を発信したのはタイタニック」だと、一般的に言われていますが、実は、タイタニックの事故の3年前、1909(明治42)年8月11日にアメリカの汽船「アラパホ」が航行中にプロペラシャフトを損傷し、遭難信号SOSを発していました。
アラパホ号の事故の翌日、新聞各紙がアラパホ号のSOS発信(全員救出)を伝えています。

しかし、タイタニック沈没事故の犠牲者の多さや衝撃が大きかったため、アラパホ号の事故は忘れ去られてしまったようで、タイタニックが最初にSOS信号を打電した船との思い込みが生じたものと思われます。

2.特攻隊、最後のモールス信号


【特攻隊】最後のモールス信号/八重雲 yegumoチャンネルから(完全版もよかったらどうぞ。)

戦時下でもモールス信号は重要な役割を果たしました。第二世界大戦では、モールス信号は秘密通信や緊急通信に広く使用されました。ノイズの多い環境や弱い信号状態でも受信可能なため、信頼性の高い通信手段として重宝されました。

第二次世界大戦末期、特攻隊員が敵艦に突入する際に使用したモールス信号は、深い悲劇と勇気を象徴するものでした。鹿児島県鹿屋市の鹿屋航空基地や串良海軍航空基地の地下壕第一電信室では、約40名の電信員がこれらの信号を受信していました。

特攻隊員は、敵艦に突入する直前、「我、敵艦ニ体当タリ」(我、敵艦に体当たり)という意味のモールス信号を送信しました。例えば、「ホタ ホタ ホタ」は「我、空母ニ体当タリ」(我、空母に体当たり)を意味し、連続する長い符点(ーーーーーーーーーーー)で突入の瞬間を示しました。.

信号が途切れることは、搭乗員の命が途絶えたことを意味しました。電信員たちは、この信号を聞くたびに、若い命が戦争で絶たれる悲劇を感じることができました。特攻隊員の最後の通信は、静寂に包まれた地下壕でただモールス信号だけが響き、多くの人々の心を揺さぶるものでした。

これらの信号は、特攻隊員の勇気と覚悟、そして戦争の悲劇を今でも強く感じさせる歴史的な証言です。彼らの献身的な行動と、守るために捧げた命を忘れずに伝えることが、次の世代への重要な責任です。今に繋がるモールス信号の魅力

モールス信号はたくさんの魅力をもっている

1.モールス信号はシンプル・効果的な設計

モールス信号の魅力は、そのシンプルで効果的な設計にあります。小さな出力と小さなアンテナで遠くまで簡単に通信が可能であり、特に緊急時の信頼性の高い通信手段として依然として重要な役割を果たしています。

2.モールス信号音が言葉に聞こえる不思議な現象

モールス信号は、人間の脳が音を言葉に変換する不思議な現象を体験することができます。

モールス通信を多くやっていると、ブザー音の「トン・ツー」が言葉に聞こえるようになってきます。人間の脳ってとっても不思議ですね。最初の頃は、一文字ずつ聞き取っていた音も、だんだん単語に聞こえ、そのうち言葉に聞こえてきます。

さらに日本語のモールスは「耳元でささやいている」様に聞こえるそうです。残念ながら私はそこまでにはなっていません。

3.遠くまで簡単に届くモールス通信

モールス通信の特徴の一つが大変よく遠くまで届く事です。小さな出力、小さなアンテナで多くの仲間と通信する事が出来ます。この特徴のおかげでアマチュア無線ではモールス通信が今なお盛んにおこなわれています。

4.モールス信号なら無線機を簡単に作って楽しめる

無線機を自作して楽しむには、モールス用の無線機は打って付けです。他の通信手段に比べ無線機を作る事が簡単なのです。少量の部品で作った無線機でも実用になります。

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5.モールス信号を送るためのスイッチ

モールス信号を送るには、専用のスイッチを用います。このスイッチを「キーヤー」や「電鍵」と呼びます。大きく分けると、押し下げるタイプと横向きになって2つのスイッチが付いたタイプがあります。

昔ながらの押し下げるタイプ(左)は、映画やドラマでもよく見ますよね。横向きのタイプ(右)は、簡単な電子回路と組み合わせて右スイッチを押すとツー(長い符号)、左を押すとテン(短い符号)が出て、きれいな符号を素早く送る事が出来ます。この他にも多くのモールス送信用のスイッチ(電鍵・キーヤーという)があります。

6.モールス信号は世界共通語

モールス信号は、世界中で通じる共通の言語です。アルファベット「A~Z」や数字「0~9」までをカバーしています。これらを覚えるだけで、どの国の人とも通信できます。この共通性により、モールス信号は国境を越えたコミュニケーション手段として広く利用されています。

モールス信号変換表(アルファベット・数字)

モールス信号変換表(アルファベット・数字)

モールス信号変換表

モールス信号変換表

また和文(日本語)「いろはにほへと~ 50音」 の符号もあります。日本人同士で楽しい世間話にはもってこいです。

7.誰の信号か分かる不思議なモールス通信

モールス通信は、ブザー音だけなのですが、送信者の「くせ」が出るものです。何度も聞いていると、「あーこの人また出ているな」などわかる様になるのです。人の脳は音に対して詳細に聞き分ける能力が有る様で、Net上でよくある「成りすまし」は出来にくいかもしれません。

まとめ:モールス信号の歴史と魅力:無線通信の原点を探る

モールス信号はその歴史と魅力を持つ伝統的な通信手段です。サミュエル・モールスの発明から現在まで、多くの歴史的な使用例を通じてその重要性を示しています。

現代でもアマチュア無線や特殊な用途で広く使用されているモールス信号は、簡単で信頼性の高い通信手段として今でも多くの人に愛されています。

この記事のポイントのまとめ
  • モールス信号とは?
  • モールス信号の基本とその歴史
  • アマチュア無線での重要性
  • 歴史的な事件でのモールス信号の使用例
  • モールス信号はさまざまな魅力を持っている
  • モールス信号はシンプルで、効果的な設計、世界共通語
  • モールス信号なら簡単な無線機で遠くまで届く
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