JA3CGZは大阪豊中市に開設するアマチュア無線局です。20年ぶりに電子申請でカムバックしました。このブログはアマチュア無線の話題を投稿していきます。

大きく変化したアマチュア無線界【2】~運用スタイルの変化とオンラインによる新サービス

アマチュア無線は、時代とともに進化し続けています。

最新の技術動向やライフスタイルの変化により、無線機の使用方法や運用スタイルも大きく変わりつつあります。

この記事では、「大きく変化したアマチュア無線界​​〜運用スタイルの変化とオンラインによる新サービス」と題して、現代のアマチュア無線の最新トレンドをご紹介します。

小型化されたアンテナから新しい無線機の機能、デジタル時代に対応したQSLカードの交換方法まで、アマチュア無線の魅力が新たな形で展開されている様子をお伝えします。

運用スタイルの変化

小型アンテナもバリエーション豊富に

最近の住宅事情と無線機のトレンドに合わせて、アマチュア無線用アンテナのデザインにも変化が見られます。

特に注目されているのは、複数のアマチュアバンドに対応したコンパクトなアンテナです。これらの新製品には、ベランダに設置可能な全長約4mのHF〜50MHz帯ダイポールアンテナが含まれており、アパートやマンションに住むアマチュア無線愛好者(アパマンハム)に特に人気です。

 

また、伸縮式のマルチバンドホイップアンテナ(HF〜430MHz帯)も登場しています。

これは持ち運びが容易で、移動運用に最適です。SWR(定在波比)の調整も簡単で、操作性に優れています。

さらに、オートアンテナチューナー(ATU)を使用することを前提とした広帯域アンテナも市場に登場しており、利便性が高まっています。

移動運用はよりお手軽に

移動運用は昔からアマチュア無線の中でも特に人気がある分野の一つでしたが、無線機やアンテナなどの機材の運搬や電源(発電機やバッテリー)の準備が大変でした。

しかし、最近ではアイコムのIC-705のような高性能ポータブル無線機(HF〜430MHz帯をオールモードでカバー、内蔵バッテリーで最大5W、外部電源で最大10W出力、オプションでATUも使用可能)の登場や、大容量で持ち運びやすいモバイルバッテリー、マルチバンドタイプのホイップアンテナが普及して、よりコンパクトで手軽な装備で楽しむことが可能になりました。

 

特に、144/430MHz帯のハンディ機を利用した「駅前QRV」が注目を集めています。

通勤や通学の途中、駅周辺からCQを出すこのスタイルは、ハンディ機に取り付けられたホイップアンテナでもビルの反射などを利用して意外と遠くまで通信ができるため、愛好者が増加しています。

SNSでは「#駅前QRV」というハッシュタグで運用情報が共有され、定期的に開催される「駅前QRVデー」も盛り上がりを見せています。

オンラインによる新サービス

QSLカードは“電子交換” の時代!?

アマチュア無線での交信後にQSLカードを交換するのは、昔も今も大きな楽しみの一つです。

しかし最近では、従来の紙のQSLカードの交換に加え、インターネットを介して迅速に「QSL画像」を交換する方法も広がっています。

 

世界的に利用されているのは「eQSL」(http://eqsl.cc/)というサービスです。

大きく変化したアマチュア無線界【2】~運用スタイルの変化とオンラインによる新サービス

これは簡単な登録で無料で利用でき、有料プランではオリジナルの画像デザインを使用することも可能です。

特に、FT8などのデジタルモードとの親和性が高く、通信用ソフトウェアで設定すれば、交信直後に相手局へQSL画像を自動送信することもできます。

 

また、交信データ管理ソフト「Turbo HAMLOG(ハムログ)」の最新バージョンには、交信相手のハムログユーザーとQSL画像を交換できる「hQSL」という機能が備わっており、多くのユーザーに利用されています。

大きく変化したアマチュア無線界【2】~運用スタイルの変化とオンラインによる新サービス

さらに、「誰でもQSL」(https://fqsl.jp/)という、インターネット上で簡単にQSL画像を送り合えるサービスも存在します。

 

紙のQSLカードの交換ではありませんが、アメリカのアマチュア無線連盟ARRLは、交信データの交換と認証からDXCCなどのアワード申請まで行える「LoTW」というシステムを2003年から運用しており、約18万局がユーザーとして利用しています。

また、「OQRS(Online QSL Requests)」というシステムを使い、紙のQSLカードを請求する際には自分のQSLカードやSASEを送る代わりに、交信データをメールで送り、送料はPayPalで電子送金する方法も増えています。」

無線機はファームアップで新機能追加

「最近の無線機は技術の進歩により、メモリーカードスロットやUSB端子などを備え、外部からのデータを簡単に取り込むことができるようになりました。

この進歩のおかげで、無線機の核心部分である「ファームウェア」のアップデートが容易になりました。

 

これにより、出荷後に発見されるバグの修正、機能の使い勝手の向上、時には新機能の追加などが可能になります。

 

特にD-STARに対応した無線機の場合、全国のD-STARレピーターのリストが初めからプリセットされていますが、新たなレピーター局が増えた場合、このリストの更新もファームウェアのアップデートと同様の方法で行われます。

 

無線機メーカーのウェブサイトでは「新着情報」や「サポート情報」のセクションで、ファームウェアやレピーターリストの最新情報が告知されるため、定期的にチェックすることをお勧めします。

 

いかがでしょうか?「昔の常識」が現在では変わっている事例は他にも多くあります。

これらのギャップを埋めることで、新たな驚きと共に、アマチュア無線の魅力を再発見することができるでしょう。

まとめ:大きく変化したアマチュア無線界【2】~運用スタイルの変化とオンラインによる新サービス

今回は、最近アマチュア無線にカムバックした方、またこれから始めようとしている方々に向けて、大きく変化したアマチュア無線界【2】~運用スタイルの変化とオンラインによる新サービスなど、今知っておくと便利な情報を網羅的にご紹介しました。2023年秋のアマチュア無線界の現状を知っていただけたと思います。

関連記事として、下記記事も公開していますので、是非参考にしてください。

大きく変化したアマチュア無線界【1】~新通信方式登場とバンド拡張

大きく変化したアマチュア無線界【2】~運用スタイルの変化とオンラインによる新サービス