技術誌を買っても、回路図や専門用語を前にして「自分には少し難しそうだ」と閉じてしまうことはありませんか。8月19日発売の別冊CQ ham radio QEX Japan No.60は、HFハイエンド機、アパマン向けアンテナ、FreeDV、CW自作までを横断する一冊です。カムバックハムが次の一歩を選ぶ視点で読みどころを整理します。
要約BOX|この記事のポイント
QEX Japan No.60は、TS-990/TS-890の設計思想、アパマン・移動運用向けのEasy Loop Antenna、FTX-1とAndroidによるFreeDV、7/10MHz CWトランシーバー製作などを扱う技術誌です。全部を一度に理解しようとせず、「今の無線環境で一つ試せるテーマ」を決めて読むと、技術記事が実運用の楽しさへつながります。
ターゲット明示BOX|こんな方におすすめ
月刊CQ誌は読んでいるものの、もう一歩深い技術テーマを選びたい方。アパマンや移動運用でアンテナを工夫したい方、FreeDVを始めたい方、CW機やArduinoの自作に興味はあるが最初のテーマを迷っている方に向けた読み方ガイドです。
QEX Japan No.60は「読む技術誌」から「次の実験を選ぶ技術誌」へ
別冊CQ ham radio QEX Japanは、国内外のアマチュア無線と電子技術を扱う季刊誌です。No.60は、CQ出版社の案内では2026年8月19日発売予定、定価1,980円とされています。月刊CQ ham radioとは役割が異なり、運用の話題をより深い技術・製作・検証へつなげたい読者に向く構成です。[1]
この記事で扱うのは誌面の転載ではありません。「買ったら最初にどこを読めばよいか」「自分の設備ならどのテーマを試しやすいか」という入口です。回路製作をすぐ始めない方にも、設計思想や検証の考え方を知る価値があります。

まず注目したい3つの読みどころ
① TS-990とTS-890から「高級機の価値」を読み解く
巻頭の特別寄稿は、JVCケンウッドのTS-990とTS-890の設計コンセプト、運用性能を扱います。高級機をすぐ購入する予定がなくても、「どこにコストや設計思想が使われるのか」を理解すると、いま使っている無線機で優先すべき設定や改善点を考えるヒントになります。[1]
比較表の数字だけで結論を急がず、受信性能、操作性、信号を聞き分けるための環境といった視点を拾って読むのがおすすめです。無線機選びを「価格」だけで終わらせないための読書になります。
② アパマン・移動運用ならEasy Loop Antenna
技術セクションには、アパマンハムや移動運用での活用を想定したEasy Loop Antennaが掲載されています。アンテナは大きければ良い、という単純な話ではありません。設置できる場所、ノイズ、搬送しやすさ、運用するバンドを合わせて考える必要があります。[1]
集合住宅でHFを楽しみたい方は、まず「自宅で設置できるか」「近隣へ配慮できるか」「安全に下ろせるか」を書き出してみましょう。技術記事を読む前に自分の制約を整理すると、回路や寸法の意味が理解しやすくなります。
③ FreeDVとCW自作は“音”と“手”で楽しめる
Topicsでは、Android端末とFTX-1を使ったFreeDV、FreeDVとTurbo HAMLOGをつなぐFDV Bridgeを扱います。また、7/10MHz 2バンドCWトランシーバーの製作記事も掲載されます。デジタル音声を試す道と、手を動かしてCW機を作る道が同じ一冊にあるのが面白いところです。[1]
月刊CQ ham radio 2026年9月号が「アマチュア無線の楽しさ、再発見!」を広く扱うのに対し、QEX Japan No.60は、その楽しさを具体的な実験へ進めるきっかけになります。月刊誌の読みどころは、CQ ham radio 2026年9月号レビューも参考にしてください。

今の自分に合うテーマの選び方
QEX Japan No.60はテーマが多いだけに、最初に「自分の無線環境で何が変えられるか」を決めると読みやすくなります。次の表は、まず読む場所を選ぶための目安です。
| 今の関心・環境 | 最初に注目するテーマ | 読むときの視点 |
|---|---|---|
| ベランダ・アパマン・移動運用 | Easy Loop Antenna | 設置場所、周囲のノイズ、持ち運び、運用バンドを自宅条件に当てはめる。 |
| デジタル音声を試したい | FTX-1とAndroidによるFreeDV | 手持ちの無線機・スマートフォン・音声接続で何が必要かを整理する。 |
| CWを深く楽しみたい | 7/10MHz 2バンドCWトランシーバー製作 | 完成品の購入ではなく、製作・測定・調整の工程に関心が持てるかを考える。 |
| HF機選びを見直したい | TS-990/TS-890の設計思想 | 価格比較ではなく、自分が重視する受信・操作・拡張性を言語化する。 |
| ログ運用を広げたい | FDV Bridge | FreeDVとTurbo HAMLOGの連携で、記録の流れがどう変わるかを確認する。 |
「全部を試す」必要はありません。例えばアパマン環境なら、Easy Loop Antennaを読んだあとに、今のアンテナと設置場所を一度観察するだけで十分な実験になります。そこから測定器や材料の必要性を考える方が、無駄な買い物を減らせます。
購入前に知っておきたいこと
QEX Japanは、月刊誌よりも深い技術テーマを扱う分、回路図や測定、部品、前提知識が出てくる場合があります。初めての方は「そのまま完成させる」ことを目標にせず、用語や構成をつかむ読み方から始めるのが安心です。
また、機材の改造や自作を行う際は、法令、無線局免許状に記載された範囲、取扱説明書、安全基準を必ず確認してください。特に送信設備に関わる製作・変更は、受信実験よりも注意点が増えます。分からない箇所は経験者へ相談し、無理な通電や送信をしないことが大切です。
QEX Japan No.60を“積読”にしない5ステップ
① いま一番困っていることを一つ書き出す
「HFのアンテナが置けない」「音声モードを試したい」「CWをもう少し深く楽しみたい」など、問題を一文にします。読む目的が決まると、情報量に圧倒されません。
② 目次から近いテーマを一つ選ぶ
アンテナ、FreeDV、CW、HF機の設計思想、ログ連携の中から、最も今の環境に近いものを選びます。難しそうな記事を避けるのではなく、生活や設備との接点がある記事を選ぶのがコツです。
③ 分からない用語に印を付ける
読みながら止まらず、分からない略語や部品名に印を付けます。最初から検索し続けるより、読み終えてから3つだけ調べる方が全体像を保ちやすくなります。
④ 次の週末にできる最小の行動を決める
机の寸法を測る、ノイズを聞く、FreeDVの公式情報を確認する、CW練習を始めるなど、30分でできる行動へ分解します。材料を買うのは、その行動の後でも遅くありません。
⑤ 実験ノートに結果を一行残す
「この場所はノイズが多い」「スマートフォン接続を調べた」「必要な工具が分かった」など、結果を一行だけ残します。次に誌面を開いたとき、前回の気付きが次のテーマ選びにつながります。
まとめ|今の設備でできる一つの実験を選ぼう
QEX Japan No.60は、高級HF機の設計思想から、アパマン向けアンテナ、FreeDV、CWトランシーバー製作までを扱います。技術誌として密度が高いからこそ、最初に自分の目的を決めて読むことが大切です。
ベランダのアンテナ、スマートフォンでのデジタル音声、CWの自作。どれか一つでも「次の週末に試せること」を選べば、記事が実際の無線ライフへつながります。買って終わりではなく、読む・考える・少し試す。この流れを楽しんでみてください。
技術記事を「読む」から「一つ試す」へ変える
技術誌を読み切れないまま積んでしまう場合は、全記事を理解しようとせず、いまの設備や興味に近いテーマを一つ選びます。回路、ソフトウェア、アンテナ、デジタル音声など分野が違っても、気になった図表や部品表を一枚だけ写し、次に試す小さな作業へ分解します。例えばFreeDVなら受信環境の確認、自作なら部品リストの確認、アパマン運用ならノイズ源の書き出しから始めます。結果が思いどおりでなくても、条件と観察を記録することが次の実験に生きます。
興味のある特集を一つ選び、必要な道具、試す場所、測る結果、記録方法を紙に書き出す。
机上で理解しただけで終わらせず、実際のシャック環境で一項目ずつ確認し、結果をログやメモに残しましょう。小さな再現テストを重ねるほど、次回の運用やトラブル対応が楽になります。
FAQ|QEX Japan No.60のよくある質問
Q1. QEX Japan No.60はいつ発売され、いくらですか?
CQ出版社の案内では、2026年8月19日発売予定、定価1,980円です。品切れや取扱状況は、購入前に公式WebShopや販売店で確認してください。[1]
Q2. 初心者でも読めますか?
読めます。ただし、すべてを理解してすぐ製作する必要はありません。今の設備に近いテーマを一つ選び、分からない用語を少しずつ調べる読み方がおすすめです。
Q3. アパマン環境なら、どの記事から読むとよいですか?
アパマンハムや移動運用での活用を想定したEasy Loop Antennaの記事から読むと、自宅の設置条件と結び付けやすいでしょう。[2]
Q4. FreeDVに興味があります。どんな内容がありますか?
Android端末とFTX-1を使ったFreeDV、FreeDVとTurbo HAMLOGをつなぐFDV BridgeがTopicsとして掲載されています。手持ちの機材に合うかは、公式情報と誌面で確認してください。[2]
Q5. 送信機を自作するときの注意点は?
送信に関わる設備の製作・変更では、法令、無線局免許状の範囲、安全面の確認が必要です。経験者に相談しながら、必要な測定と確認を行い、無理な送信をしないでください。





