Originally posted 2024-07-04 23:27:22.
アマチュア無線を楽しむ皆さん、QSLカードの作成や管理に時間を取られていませんか?「もっと効率的にQSLカードをデザインして印刷したい」「手作業での記入や大量発送の手間を減らしたい」そう考えている方にぴったりのソフトウェアがあります。それが、QSLカード印刷ソフトのMMQSLです。
MMQSLは、アマチュア無線家JE3HHT局が開発された、QSLカードの作成・印刷をパソコンで行うための便利なツールです。この記事では、MMQSLの具体的なメリットや導入方法、基本的な使い方から応用テクニックまでを詳しくご紹介します。MMQSLを活用して、アマチュア無線ライフをさらに充実させましょう!
- MMQSLとは何か、その高機能なQSLカード印刷能力の紹介
- MMQSLを導入することのメリットとデメリットについて詳しく解説
- MMQSLのダウンロードからインストール、初期設定までの導入ガイド
- QSLカードのデザイン作成から印刷まで、MMQSLを使用した基本操作手順
- 応用テクニックや便利な機能を駆使してMMQSLをさらに使いこなす方法
- 困ったときのトラブルシューティングとQ&Aセクション
- 公式サイトやアマチュア無線コミュニティでの情報収集とサポート
- QSLカード作成がもっと楽しく、効率的になる方法とまとめ

MMQSLとは?高機能なQSLカード印刷ソフト
MMQSLは、アマチュア無線家JE3HHT局によって開発された、Windowsパソコンで動作するQSLカード印刷ソフトウェアです。紙のQSLカードをご自身でデザインし、プリンターで印刷するための多彩な機能を備えています。お気に入りのデザインで、コールサインや交信情報(QSOデータ)を効率的に印刷できます。
- 自由なQSLカードデザイン:豊富なレイアウト機能やフォント設定、画像の取り込みにより、オリジナリティあふれるQSLカードを作成できます。
- データ連携と差込印刷:HAMLOGなどのアマチュア無線業務日誌ソフトから出力したログデータ(CSV形式など)をインポートし、交信情報を自動でカードに差し込み印刷できます。これにより、手書きの手間を大幅に削減します。
- 多彩な印刷オプション:一枚の用紙に複数のQSLカードを割り付けて印刷したり、片面・両面印刷に対応したりと、柔軟な印刷設定が可能です。
- 日本語対応:インターフェースやマニュアルが日本語に対応しているため、日本のユーザーにも扱いやすいソフトです。
- 無料で利用可能:基本的に無料で提供されており、多くのアマチュア無線家に利用されています。(※開発者様へのサポート・カンパを検討するのも良いでしょう)
注:MMQSLはQSLカードを「印刷」するためのソフトです。eQSL.ccやLoTWのような「電子QSL交換システム」とは異なり、MMQSL自体にインターネット経由でQSLカードを電子的に送受信する機能は基本的にありません。ただし、作成したQSLカードのイメージをPDF化してメールで送信したり、hQSLなどの仕組みを利用して電子的に交換する運用は可能です。
MMQSLを導入するメリット・デメリット
MMQSLのメリット
- QSLカード作成・発行コストの削減:
- 印刷業者に発注するよりも、用紙代とインク代だけで済むため、特に大量発行する場合にコストを抑えられます。
- 必要な枚数だけ印刷できるため、無駄がありません。
- デザインの自由度が高い:
- テンプレート利用だけでなく、フォント、色、画像配置などを自由にカスタマイズでき、個性的なQSLカードを作成できます。
- 記念QSLカードや移動運用に合わせたデザイン変更も手軽に行えます。
- 作業効率の大幅アップ:
- HAMLOGなどのログソフトと連携し、交信データを自動で差し込み印刷できるため、手書きや一枚一枚の入力作業から解放されます。
- 一度デザインを作成すれば、繰り返し利用できます。
- 即時発行が可能:
- 交信後すぐにQSLカードを印刷し、ビューロー経由やダイレクトでの発送準備ができます。
MMQSLのデメリット・注意点
- PCとプリンターが必須:ソフトウェアの利用と印刷のために、Windowsパソコンとプリンターが必要です。
- 初期設定と操作習熟:多機能なため、初めて使う際は設定や操作方法を覚えるのに多少時間がかかる場合があります。(この記事で詳しく解説します!)
- デザインのセンスが問われることも:自由度が高い反面、見栄えの良いデザインにするにはある程度の知識や試行錯誤が必要になることがあります。
- 印刷品質はプリンターに依存:美しいQSLカードを印刷するには、ある程度の品質のプリンターや適切な用紙選びが重要です。
- 電子QSLとの違い:前述の通り、MMQSLは印刷ソフトであり、eQSLやLoTWのようにオンラインで完結する電子QSLシステムとは役割が異なります。紙のカードを送る手間は残ります(ビューロー経由またはダイレクト郵送)。
他のQSLカード作成方法との比較
MMQSLが自分に合っているか判断するために、他のQSLカード作成方法と比較してみましょう。
方法 | メリット | デメリット | こんな人向け |
---|---|---|---|
MMQSL (本記事) | デザイン自由度高、コスト削減(大量発行時)、ログ連携で効率化、即時発行 | PC・プリンター必須、初期設定と習熟が必要、印刷の手間 | PC操作に慣れていて、自分でデザインし効率的に印刷したい人 |
印刷業者へ発注 | 高品質な仕上がり、デザインも任せられる場合がある、大量印刷時の手間がない | コストが高い、納期がかかる、少量多品種には不向き | デザインや印刷の手間をかけたくない人、高品質を求める人 |
Turbo HAMLOG 等の印刷機能 | ログソフトと一体で手軽、基本的な印刷は可能 | MMQSLに比べデザインの自由度が低い場合がある、高度な印刷設定は限定的 | HAMLOGユーザーで、手軽に基本的なQSLを印刷したい人 |
手書き・汎用ソフトで作成 | 手軽に始められる(手書き)、Word等でも作成可能 | 大量作成に不向き、デザインの統一性や効率が悪い | 交信数が少ない、手作りにこだわりたい人 |
eQSL / LoTW (電子QSL) | 郵送コスト・手間不要、即時交換、環境負荷低減 | 紙のカードの魅力がない、相手も対応システムを利用している必要あり、LoTWは設定が煩雑な場合も | ペーパーレスを推進したい人、海外交信が多い人 |
※紙のQSLカードと電子QSLは、どちらか一方を選ぶというより、併用するアマチュア無線家が多いです。
MMQSLの導入完全ガイド:ダウンロードから初期設定まで
1. 準備するもの
- Windows搭載パソコン (対応OSは公式サイトで確認)
- インターネット接続環境 (ソフトウェアダウンロードのため)
- プリンター (QSLカード印刷のため)
- QSLカード用印刷用紙 (写真用紙、厚手のマット紙など)
- (推奨) HAMLOGなどのアマチュア無線業務日誌ソフト (ログデータ連携のため)
2. MMQSLのダウンロード
- MMQSLの公式サイトにアクセスします。
MMQSL公式サイトはこちら (JE3HHT局)(上記リンクが公式サイトです。偽サイトに注意しましょう。)
※ダウンロードは、ベクターからもできる様です。 - ダウンロードページから最新バージョンのソフトウェア(通常はLZHまたはZIP形式の圧縮ファイル)をダウンロードします。ファイル名や更新日を確認しましょう。
- ダウンロードした圧縮ファイルを解凍ソフト(Windows標準機能または+Lhaca、7-Zipなど)を使って解凍します。解凍先は分かりやすいフォルダ(例: C:\MMQSL など)を指定すると良いでしょう。

MMQSL公式サイトのダウンロードページ
3. MMQSLのインストールと初期設定
MMQSLは、一般的なインストーラー形式ではなく、解凍したフォルダ内の実行ファイル(`MMQSL.exe`など)を直接起動して使用するタイプのソフトウェアが多いです(バージョンにより異なる場合があります)。
- 解凍したフォルダ内にある `MMQSL.exe` (またはそれに類する実行ファイル) をダブルクリックして起動します。
- 【重要】初回起動時のセキュリティ警告について:
Windowsのセキュリティ機能(SmartScreenなど)により、「WindowsによってPCが保護されました」といったメッセージが表示され、実行がブロックされることがあります。これは、開発者がMicrosoftに登録していない個人作成ソフトなどでよく見られる現象です。対処法:- メッセージ内の「詳細情報」をクリックし、次に表示される「実行」ボタンをクリックする。
- ダウンロードしたファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択。「全般」タブの下部に「セキュリティ」の項目があれば、「ブロックの解除」または「許可する」にチェックを入れ、「OK」をクリックしてから再度実行する。
- それでも解決しない場合は、一時的にWindowsセキュリティの「評価ベースの保護」をオフにすることを検討できますが、セキュリティリスクを理解した上で自己責任で行ってください。作業後は設定を元に戻すことを推奨します。
- MMQSLが起動したら、まず基本的な設定を行います。メニューから「設定」や「環境設定」といった項目を探しましょう。(この部分はMMQSLのバージョンや実際の画面構成に合わせて具体的に記述してください。例:自局コールサイン、プリンター設定、使用フォントのデフォルト設定など)
MMQSLの基本的な使い方:QSLカード作成から印刷まで徹底解説
ここでは、MMQSLを使って実際にQSLカードをデザインし、HAMLOGのデータを読み込んで印刷するまでの基本的な流れを解説します。 (※お使いのMMQSLのバージョンによって画面や手順が若干異なる場合があります。基本的な流れとして参考にしてください。)
ステップ1:QSLカードのデザインを作成・選択する
- MMQSLを起動し、「ファイル」メニューから「新規作成」を選ぶか、既存のテンプレートを選択します。
- QSLカードのサイズ(通常は日本のQSLカードサイズ:148mm x 100mm)を設定します。
- 文字ツール、図形ツール、画像挿入機能などを使って、QSLカードの表面(または両面)をデザインします。
- 自局コールサインの配置:目立つように配置しましょう。
- QSOデータ表示エリアの確保:相手局コールサイン、日時、周波数、モード、RSTなどを表示する場所を確保します。これらは後でログデータから差し込まれます。
- リグやアンテナ情報など:固定情報としてデザインに含めることもできます。
- 写真やイラストの挿入:オリジナリティを出すために、シャックの写真や自作のイラストなどを配置できます。
https://blog.goo.ne.jp/ja6vqa/e/dca574edae7d09ae370baacc75195202
- デザインが完成したら、名前を付けて保存します。
ステップ2:HAMLOGからQSOデータを準備する (CSV出力)
MMQSLでQSO情報を差し込み印刷するためには、HAMLOGなどのログソフトからデータをエクスポートする必要があります。ここではHAMLOGを例に説明します。
- HAMLOGを起動し、QSLカードを発行したいQSOデータを選択します。(期間指定や未発行QSOの抽出など)
- HAMLOGのメニューから「検索(S)」→「複合条件検索と印刷・ファイル出力」などを利用し、必要なデータ項目(相手局コールサイン、Date, Time, Band, Mode, RSTsent, RSTrcvdなど)を含んだ形でCSVファイルとして出力します。
ポイント:MMQSL側でどのCSVカラムがどの情報に対応するかを設定する必要があるため、出力する項目名や順番をメモしておくと良いでしょう。
ステップ3:MMQSLでQSOデータを読み込み、デザインと紐付ける
- MMQSLで、先ほど作成または保存したQSLカードデザインを開きます。
- メニューから「データ」や「差し込み印刷」に関連する項目を選び、HAMLOGからエクスポートしたCSVファイルを指定して読み込みます。
- 読み込んだCSVデータの各列(例: “CALL”, “DATE”, “FREQ”など)を、QSLカードデザイン上でQSO情報を表示させたいテキストオブジェクトに割り当て(マッピング)ていきます。
- 設定が完了したら、プレビュー機能で正しくデータが差し込まれているか、複数のQSOデータで確認します。
ステップ4:QSLカードを印刷する
- プレビューで問題がなければ、印刷設定を行います。
- プリンターの選択
- 用紙サイズ:QSLカードサイズに合わせたカスタムサイズ、またはA4用紙などに複数枚割り付けて印刷する場合はA4を選択。
- 印刷品質:「きれい」「標準」など。写真画質で印刷する場合は高画質設定にします。
- 印刷枚数:CSVで読み込んだデータ全件、または一部を選択して印刷。
- 割り付け印刷:A4用紙1枚に2面付けや4面付けなど、用紙を有効活用する設定。
- テスト印刷を1枚行い、印字位置や色味などを確認することをおすすめします。
- 問題なければ、本印刷を開始します。
以上の手順で、MMQSLを使ったQSLカードの作成と印刷が可能です。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば非常に効率的に作業を進められます。
MMQSLを使いこなす!応用テクニックと便利な機能
- 裏面印刷の活用:リグやアンテナの詳細情報、自己紹介、所属クラブなどを裏面に印刷する。
- 複数デザインの管理:コンテスト用、通常QSO用、移動運用用など、複数のデザインテンプレートを保存して使い分ける。
- 画像ロゴの活用:自作ロゴやアワードロゴなどを効果的に配置する。
- フォントの工夫:読みやすく、かつ個性的なフォントを選んでみる。
- バッチ印刷:大量のQSOデータを一度に印刷する際の注意点やコツ。
- データのバックアップ:作成したデザインファイルや設定ファイルのバックアップ方法。
MMQSL Q&A・困ったときのトラブルシューティング
- Q1: MMQSLが起動しません。どうすればいいですか?
- A1: 上記「MMQSLのインストールと初期設定」の【重要】初回起動時のセキュリティ警告について を再度ご確認ください。それでも起動しない場合は、MMQSLを一度削除(フォルダごと)して再ダウンロード・再解凍してみる、常駐セキュリティソフトの設定を見直すなどの対応が考えられます。
- Q2: HAMLOGのデータがうまく読み込めません。
- A2: CSVファイルの形式がMMQSLの想定と異なっている可能性があります。HAMLOGからの出力時に項目や区切り文字(カンマ、タブなど)が正しく設定されているか確認してください。また、CSVファイルの1行目が見出し行になっているかなども影響する場合があります。
- Q3: 印刷すると文字がずれたり、はみ出したりします。
- A3: プリンタードライバーの設定とMMQSLの用紙設定が一致しているか確認してください。特に余白設定やフチなし印刷の可否などが影響します。MMQSLのデザイン画面で、印刷可能領域を意識してオブジェクトを配置することも重要です。テスト印刷を繰り返して微調整しましょう。
- Q4: もっと詳しいマニュアルはありますか?
- A4: MMQSLの公式サイト (http://je3hht.g1.xrea.com/mmqsl/index.html) に作者様が作成されたReadme.txtや解説ページがある場合があります。また、後述するコミュニティで情報を探すのも有効です。
- Q5: おすすめのQSLカード用紙はありますか?
- A5: インクジェットプリンターであれば、写真用光沢紙やマット紙(厚口)などが一般的です。紙の厚さ(坪量)も確認し、ご自身のプリンターで扱える範囲で選びましょう。家電量販店やオンラインで様々な種類のものが販売されています。
MMQSLに関する情報収集:公式サイトとコミュニティ
公式サイトとドキュメント
MMQSLの最新情報やダウンロードは、開発者であるJE3HHT局の公式サイトが基本となります。
- MMQSL公式サイト: http://je3HHT.g1.xrea.com/mmqsl/index.html
- 公式サイト内には、ソフトウェアのダウンロードリンクのほか、readme.txt や使い方を解説したドキュメントが含まれていることがあります。導入前に必ず目を通しましょう。
アマチュア無線コミュニティでの情報交換
MMQSLの具体的な使い方やトラブル解決策、デザインのアイデアなどは、アマチュア無線家同士のコミュニティで情報交換されています。GoogleやSNSなどで「MMQSL 使い方」「MMQSL トラブル」といったキーワードで検索してみるのも良いでしょう。
- ブログ記事:多くのアマチュア無線家が自身のブログでMMQSLの活用事例や設定方法を紹介しています。(例:[あなたのブログ名] もその一つです!)
- SNSグループ:FacebookやX(旧Twitter)などで、アマチュア無線関連のグループやハッシュタグを検索すると、MMQSLに関する投稿が見つかることがあります。
- 掲示板・フォーラム:アマチュア無線専門の掲示板などで質問してみるのも有効です。
(※具体的なコミュニティ名や参考になるブログがあれば、許可を得てリンクを掲載するのも良いでしょう。)

まとめ:MMQSLでQSLカード作成をもっと楽しく、効率的に!
この記事では、QSLカード印刷ソフトMMQSLのメリット、導入方法、具体的な使い方、そして応用テクニックまでを詳しく解説しました。
MMQSLは、
- 自由なデザインでオリジナルのQSLカードを作成したい
- QSLカードの印刷コストを抑えたい
- HAMLOGと連携して作業を効率化したい
といったニーズを持つアマチュア無線家にとって、非常に強力なツールです。
さて、冒頭の「紙のQSLはもう古い?」という問いですが、電子QSLが普及してきた現在でも、手元に残る紙のQSLカードには独自の魅力があります。心のこもったデザインのカードを受け取る喜びは、今も昔も変わりません。MMQSLは、そんな紙のQSLカード作成の手間を大幅に軽減し、より手軽に、より個性的に楽しむための一助となるソフトウェアと言えるでしょう。つまり、「紙のQSLもMMQSLで進化する」のです。
もちろん、初期設定や操作に慣れは必要ですが、この記事がそのハードルを少しでも下げるお手伝いができれば幸いです。ぜひMMQSLを導入して、あなただけの素敵なQSLカードを作成し、交信相手に届けましょう!
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