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アイコムが中学校向け防災教材を無償貸与:トランシーバーで学ぶ「つながる力」

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中学校の防災訓練で生徒がトランシーバーを使って連絡を取り合うイメージ

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災害時に「確実に伝える」力を、学校の授業でどう育てるか。アイコムが中学校向けに開発したトランシーバー防災教材は、防災教育と無線通信の価値を体験的に学べる注目の取り組みです。

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目次

アイコムが中学校向けに「トランシーバーを使った防災教材」を開発

アイコムが無償貸与する防災教材の構成を示すインフォグラフィック
動画教材、トランシーバー、マニュアル、ワークシートを組み合わせた授業キットの概要。

アイコム株式会社は、全国の中学校向けに「無線機を使った防災訓練の教育プログラム」を開発したと発表しました。中学校教員向けの教材として、免許や資格がなくても交信できるトランシーバー20台をセットにし、希望する学校へ無償貸与する内容です。

この取り組みは、単に無線機を配るものではありません。動画教材、教員用マニュアル、生徒用ワークシート、災害時を想定したロールプレイングを組み合わせ、1コマの授業で実施できるように設計されている点が大きな特徴です。

JA3CGZ/RYO
これは本当に素晴らしい取り組みですね。無線を「知識」だけでなく「体験」として学べるところに、大きな意味があると感じます。

① 1コマで完結する、学校現場に合わせた構成

公式ページによると、プログラムは約9分の動画視聴、約20〜30分のアクティビティ、約5分のレビューで構成されています。所要時間は45〜50分程度で、通常の授業時間に収まりやすい設計です。

対象は中学1年生から中学3年生向けに授業を行う教職員で、1回あたり40名程度まで参加できます。教材は送付方式で、アイコムのスタッフ派遣は行われないため、教員がマニュアルに沿って実施する形になります。

② 費用は無料、貸出期間は14日間

授業キットの費用は無料です。貸出期間は、授業キット到着日から休日を含む14日間で、15日目までに返送するルールとされています。

また、実施マニュアルは授業キット到着の1か月前までに事前送付されるため、先生方が事前に授業準備を進められる点も実用的です。申込締切は、授業キット到着希望日の3か月前の月末とされています。

災害時に「なぜトランシーバーなのか」を体験で学べる

災害時にトランシーバーが役立つ理由をスマートフォンとの違いで示す図
通信インフラが不安定な場面でも、近距離の確実な連絡手段を確保する視点が重要です。

現代の中学生にとって、日常の連絡手段はスマートフォンが中心です。しかし大規模災害時には、基地局の被害、停電、通信集中などにより、普段どおりに連絡できない可能性があります。

この教材では、スマートフォンとトランシーバーの仕組みの違いを動画で学んだうえで、実際に無線機を操作します。生徒は「なぜ災害時にトランシーバーが役立つのか」を、机上の説明ではなく行動を通じて理解できます。

JA3CGZ/RYO
防災の現場では、機器の性能以上に「短く、正確に、落ち着いて伝える」ことが大切です。無線運用の基本にも通じる学びですね。

① 大事なことは二度繰り返す

hamlife.jpの記事では、「大事なことは二度繰り返す」という伝え方にも触れられています。混乱した状況では、聞き間違いや伝達漏れが人命に関わることがあります。

「こちらAチームです」「大人5人です」「教室へ戻ってください」といった短い交信例を繰り返しながら、必要な情報を確実に届ける練習をすることは、災害時の実践力につながります。

② 無線の特徴を、役割分担の中で理解する

トランシーバーは、同じチャンネルを聞いている複数の相手に一斉に情報を共有しやすい道具です。電話のように一対一で話すだけでなく、チーム全体が状況を把握しやすいという利点があります。

この教材は、そうした特徴を言葉で説明するだけではなく、ミッション形式の活動に組み込んでいます。生徒は連絡、確認、指示、報告を繰り返す中で、自然に無線通信の特性に気づく構成です。

4チームで挑む防災ミッションが、学びを具体化する

4チームに分かれて校内の防災ミッションに取り組む流れを示す図
生徒が役割分担し、無線で情報を共有しながら避難者誘導や物資確認を進める構成です。

ロールプレイング形式の防災訓練では、生徒が複数のチームに分かれて校内を移動します。想定ミッションは、避難者の人数や年齢を把握し、安全な場所へ誘導し、必要な食料を確保することです。

チームは、避難者を発見するチーム、食事に関する情報を集めるチーム、非常食を見つけるチーム、全体に指示を出す作戦本部チームに分かれます。各チームは、トランシーバーで情報を共有しながら任務を進めます。

JA3CGZ/RYO
この「作戦本部」があるところが良いですね。無線は送るだけでなく、集まった情報を整理して判断する力も育てられます。

① 校内のカードを探し、無線で報告する

先生があらかじめ校舎内に配置したA4サイズのカードを、生徒が探しに行きます。カードには、避難者数や非常食の情報など、ミッション完了に必要な情報が記載されています。

カードを見つけた生徒は、「こちらAチームです。1階の廊下で大人5人の避難者カードを見つけました。大人5人です」といった形で報告します。情報を二度繰り返すことで、聞き手が確認しやすくなる点も実践的です。

② 最後のレビューで学習を定着させる

訓練後には、参加者全員でレビューを行います。「もし無線機がなかったらどうなっていたか」「無線機のどんな特徴が役に立ったか」といった問いを通じて、体験を言語化します。

この振り返りがあることで、単なるゲームやイベントではなく、防災と通信を結びつけた学習として定着しやすくなります。学校教育における防災訓練の幅を広げる、よく考えられた構成だと感じます。

アマチュア無線・運用体験にも広げたい学び

中学校の防災訓練で生徒がトランシーバーを使って連絡を取り合うイメージ
トランシーバーを使った防災教育は、災害時の「伝える力」を体験的に学ぶ機会になります。

今回の教材で使われるのは、免許や資格がなくても交信できるトランシーバーです。アマチュア無線そのものではありませんが、「電波で相手とつながる」「相手に分かるように話す」「混信や聞き間違いに配慮する」という基本は、無線の世界に共通する大切な入り口です。

当局でも、アマチュア無線や運用体験の取り組みをさらに具体化していきたいと考えています。特に、地域の防災訓練、学校・青少年向けの体験会、非常通信を想定した模擬訓練などに、この教材の考え方は大いに参考になります。

JA3CGZ/RYO
アマチュア無線の体験運用を企画するときにも、「楽しい交信」だけでなく「役に立つ通信」をどう伝えるかが大切だと改めて感じました。

① まずは「無線は難しい」を減らす

初めて無線機を持つ人にとって、PTTを押して話すだけでも緊張するものです。だからこそ、学校の授業や地域イベントで、短い言葉を交わす体験を積むことには大きな意味があります。

「こちら〇〇です」「もう一度お願いします」「了解しました」といった基本のやり取りを身につけるだけでも、災害時の連絡力は高まります。無線を身近な道具として感じてもらう第一歩になります。

② 地域の無線家ができること

地域のアマチュア無線家は、無線機の扱い方や交信マナーを分かりやすく伝える経験を持っています。学校や自治会、防災会と連携できれば、無線を通じた防災啓発の可能性はさらに広がるでしょう。

もちろん、アマチュア無線の運用には資格やルールが必要です。一方で、ライセンスフリー無線や見学、体験運用制度などを適切に組み合わせれば、初めての方にも安全に無線の魅力を伝えられます。

まとめ:防災教育と無線体験をつなぐ、注目すべき取り組み

アイコムの「トランシーバーを使った防災教材」は、中学生が災害時の通信を自分ごととして学べる、非常に意義あるプログラムです。トランシーバー20台の無償貸与、1コマで実施できる構成、ロールプレイングとレビューを組み合わせた学習設計は、学校現場にとって導入しやすい工夫に満ちています。

この取り組みが広く知られ、全国の学校や地域で「通信の大切さ」を学ぶ機会が増えることを期待しています。アマチュア無線や運用体験の活動に関わる私たちにとっても、防災と無線を結びつけるヒントが詰まった好事例です。

JA3CGZ/RYO
まずは多くの方にこの取り組みを知っていただきたいですね。地域でできる無線体験の形も、少しずつ具体化していきたいと思います。

参考リンク

本記事は、hamlife.jpの記事およびアイコム公式ページの公開情報を参考に作成しました。詳細や最新の申込条件は、必ず公式ページをご確認ください。

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Ryo
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JA3CGZ
大阪府豊中市のアマチュア無線局です。
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