Originally posted 2024-07-30 18:37:23.
アンテナの設置場所やスペースに限りがある場合でも、高性能な通信を実現したいと考えるアマチュア無線愛好者にとって、ヘリカルダイポールアンテナは理想的な選択肢です。
本記事では、特に7MHz帯のヘリカルダイポールアンテナに焦点を当て、その基本構造や特長について詳しく解説します。コンパクトで高効率なこのアンテナは、設置が容易でありながら、優れたパフォーマンスを発揮します。
設計寸法や材料の選び方、組み立て手順も具体的に紹介し、DIYで試作する際の参考にしていただけます。初心者からベテランまで、幅広いユーザーに向けた実用的なガイドとなることを目指しています。
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7MHzヘリカルダイポールアンテナの基本構造と特長
基本構造
- エレメント:通常のダイポールアンテナと同様に、2つのエレメント(導線)で構成されます。ただし、ヘリカルダイポールアンテナでは、導線をコイル状に巻くことで物理的な長さを短縮しています。
- コイル:各エレメントにはコイルが巻かれており、これがアンテナのコンパクトさを実現しています。
- 給電点:エレメントの中央に給電点があり、ここに同軸ケーブルが接続されます。
特長
- コンパクトサイズ:コイル状に巻かれたエレメントにより、設置スペースを大幅に削減できます。
- 高効率:物理的なサイズが小さくても、7MHzの周波数帯に対して高い効率を持つよう設計されています。
- 簡単な設置:サイズが小さいため、設置場所の選択肢が広がります。ベランダや庭先、場合によっては室内でも使用可能です。
- 経済的:材料費が比較的安く、DIYで作成することも可能です。
7MHzヘリカルダイポールアンテナの設計
寸法例
- 全長:物理的な長さは短縮されていますが、7MHzに対して設計されたアンテナの場合、各エレメントの物理的な長さは通常約2.5m前後です。ただし、これはコイルの巻き方や設計により変動します。
- コイルの巻数:エレメントの長さを短縮するためにコイルが使用されます。例えば、各エレメントに対して約40~50回程度の巻き数が一般的です。コイルの長さや直径も設計によって異なりますが、直径は約5~10cm、コイルの長さは約30~50cmです。
- ※コイル部分の銅線の準備:約2.5メートル(コイルの周長が約0.3メートル、50回巻く場合)
例としての設計寸法
- エレメント長:約2.5m(コイルを含む)/ひとつのエレメントあたり
- コイル直径:5~10cm
- コイル長:30~50cm
- コイル巻数:40~50回
・各エレメントの直線部分の長さ:約2.5メートル
・コイル部分の長さ:約30~50センチメートル(各エレメントあたり)
・コイルの巻数:約40~50回(直径5~10cmの場合) 総計として、1つのエレメントあたりの銅線の必要量は以下のようになります:
・直線部分:約2.5メートル /コイル部分:約2.5メートル(コイルの周長が約0.3メートル、50回巻く場合)
・合計:約5メートル したがって、両方のエレメントのために必要な銅線の総長は:5メートル × 2 = 10メートル
結論:7MHzヘリカルダイポールアンテナを製作するためには、少なくとも10メートルの銅線を準備することをおすすめします。余裕を持って12~15メートル用意しておくと、調整や予備として安心です。
設計と製作のポイント
- 材料選び:導線は銅線が一般的です。エナメル線や絶縁被覆付きのものを使用すると良いでしょう。コイルの芯材にはプラスチックパイプやPVCパイプを使います。
- 巻き方:コイルの巻き方は均一に巻くことが重要です。巻き間隔が不均一だと性能が低下します。
- バランの使用:給電点にバラン(バランス・アンバランス変換器)を使用すると、給電効率が向上し、エレメント間の電流バランスが保たれます。
実際の試作例
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材料リスト
- 銅線(エナメル線、直径1~2mm)
- PVCパイプ(コイルの芯材として使用)
- 同軸ケーブル(RG-58など)
- コネクタ(PL-259など)
- 絶縁テープやケーブルタイ
-
組み立て手順
- 各エレメントの長さを測り、導線をカットします。
- 各エレメントに対してコイルを巻きます。コイルの巻数と巻き方に注意します。
- エレメントの中央に給電点を設け、同軸ケーブルを接続します。
- バランを取り付ける場合は、給電点に設置します。
- 設置場所を選び、アンテナを固定します。高さや方向を調整します。
- SWRメーターを使用してアンテナの調整を行います。
7MHz用短縮ヘリカルダイポールアンテナの製作のご紹介
実際に作っておられる記事が見つかりました。
7MHz用短縮ダイポールアンテナの製作 ヘリカル 容量冠(ハット)/JP1KHY/鈴鹿和男OMの記事
7MHz用短縮ダイポールアンテナの製作 ヘリカル 容量冠(ハット)/JP1KHY/鈴鹿和男氏の記事です。
これに1.2φ単線のビニール被覆電線をこれもテキトウ~~に巻き付けた。2~3cmピッチでワイヤー長さ約15mも巻いてしまった(約150T)。 こうなるとハット(容量冠)が小さくても良さそう。室内でアナライザでざっと見ると、ハット無しで、7~8MHzに同調しているように見える。巻きすぎかもしれない。多分・・・ 。(一部だけをご紹介しています。)
エレメント部
こちらは、コイル部です。
JP1KHY氏の記事「7MHz用短縮ダイポールアンテナの製作 ヘリカル 容量冠(ハット)」はコチラです。
7MHz用ヘリカル八木/JO7NLI 松崎 岳OMの記事
アンテナの研究や実験をたくさんされているJO7NLI/松崎 岳OMの記事の中からご紹介させていただきました。
この図からみると、導波器がありますので、⒉エレ(八木)にされているようです。
詳しくは、HPをご参照下さい。
従って、無理矢理センターローディングで合わせれば簡単。SWRはすぐ下がります。
輻射器は7050でSWR1.2
導波器はSWRはどうでもいいが共振は7150~7200にセット。
ブームにセットして終わり。 FBDXの世界に突入!!
少々見てくれは良くないですね!
しかし。性能は抜群ですよ!
7MHz(40m)ヘリカル八木/JO7NLI局/松崎岳OMの記事はこちらです。
松崎OMは、さまざまなアンテナの研究や実験をされていて、HPに公開されています。氏は大変な多趣味の方で、アマチュア無線の他、オーディオ、セーリング、自転車、サーフィン、キャンプドライブ、登山、フィッシングの他エッセイスト・・・・などさまざまなホビーを極めておられる様です。
「40年の経験、100種に及ぶ実験の中から、最も効率よく小型のアンテナを求めた。現時点ではこれ以上のアンテナは見つからない。」という記事もありました。
ぜひご覧いただきたいと思いご紹介させていただきました。
50MHzヘリカル ダイポールアンテナ制作記事/まきさん@徳島OM
ヘリカルに使用する銅線の代わりに、印刷したカットパターンを、カットする缶に巻き付けることにより、線幅が綺麗に揃ってアルミ缶を幅10mmにカット。
これにより帯域の広いアンテナを実現されているようです。
エレメントにコイルを挟めば短縮になるが、帯域がクリチカルになるのでは??
そんな時、30年くらい昔、流行った「カンテナ」を思い出した
直径が太い分帯域がとてもブロードだった。
結果「コイルの線幅を広くしてみよう」で開始。材料の350mlアルミ缶
缶に切り取り線
10mm幅で1600mmカットできた。
ヘリカル ダイポールアンテナ作り 準備編 [まきさん@徳島]の記事はコチラです。
まきさん@徳島さんは、「アマチュア無線が大好きな爺々です。 ・第1級陸上特殊無線技士(2011年) ・第1級アマチュア無線技士(1976年) ・電話級無線通信士(現4海通)の他、さまざまなライセンスをお持ちの方です。ブログでは、WiFiアンテナ、ホーンアンテナ作り、などさまざまなアンテナの研究をされています。
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まとめ
7MHzヘリカルダイポールアンテナは、そのコンパクトな設計にもかかわらず、高い性能を提供する優れたアンテナです。物理的なサイズを大幅に削減しながらも、高い受信感度と送信性能を実現しています。省スペースで設置が容易なため、初心者からベテランまで幅広いユーザーに適しています。
設置場所の選択肢が広がることで、ベランダや庭先、場合によっては室内でも使用可能な柔軟性を持ち、DIYでの製作も容易です。必要な道具や材料を準備し、正確な設計寸法に基づいて組み立てることで、誰でも高品質なアンテナを構築することができます。
省スペースで設置が簡単なため、初心者からベテランまで、幅広いユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。具体的な寸法や設計手順を参考にしながら、ぜひ試作してみてください。
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