Originally posted 2022-08-14 15:23:01.
「4級アマチュア無線合格発表」の文字を初めて見たあの日から、私の人生は大きく変わりました。
この記事では、中学生だった私が4級アマチュア無線技士の資格を取得し、念願のアマチュア無線局を開局するまでの、興奮と感動に満ちた体験を詳細にご紹介します。
もしあなたがアマチュア無線の世界に少しでも興味をお持ちなら、あるいはこれから無線局開局を目指しているなら、きっとこの記事がその道のりの一助となるでしょう。
私がどのようにして電波の魅力に囚われ、数々の壁を乗り越え、ついに自らの声で世界と繋がる夢を叶えたのか。その壮大な物語を、今、ひも解いていきます。
アマチュア無線との運命的な出会い:未来の電波魔術師!?の原点
すべては、中学2年の春、近所のあやめ池遊園地で目にした「ハム公開交信」から始まりました。目の前で繰り広げられる無線家たちの交信風景は、当時の私にとってまさに魔法。無線機から発せられる音、空に向かって伸びるアンテナの雄大さに心を奪われ、「これだ!」と直感しました。
それからというもの、私は夢中で電波法や無線工学の参考書を読み漁る日々。分厚い専門書を前に悪戦苦闘しながらも、将来自分が電波を操る姿を想像するだけで胸が高鳴りました。当時のアマチュア無線の世界は、現在のような講習制度はなく、年に2回しか開催されない国家試験に合格するしか道がありませんでした。厳しい道のりでしたが、その分、合格への情熱は燃え上がるばかりでした。
そして、ついに「電話級」(現在の4級アマチュア無線技士に相当)の国家試験に挑戦し、見事合格!高校1年の夏休み最終日、待望の「予備免許」が自宅に届いた時の喜びは、今でも鮮明に覚えています。申請から40日目、長かった道のりの第一歩を踏み出した瞬間でした。
開局への道のり:試験電波発射から落成検査、そしてJA3CGZ誕生
念願の試験電波発射!開局へのカウントダウン

申請から40日後に届いた予備免許。
予備免許を手に入れたら、次はいよいよ「試験電波の発射」です。これは、新設する無線局が規定の基準に適合しているかを最終確認するために行う、非常に重要なステップ。送信機にアンテナを接続し、発射される電波の周波数精度や出力が、申請通りであることを綿密に確認し、その結果を記録します。
また、無線局の開設にあたっては、近隣住民への電波の影響も考慮しなければなりません。試験電波を発射する前に、近隣数世帯から印鑑をいただき、電波による障害が発生しないことを確認する手続きも行いました。この一連の作業は、まさに「電波を扱う責任」を肌で感じる貴重な経験でした。
難関突破!工事完成後の「落成検査」を乗り越えて
試験電波発射と近隣調査を終え、いよいよ「落成検査」の時を迎えました。これは、新設された無線局が電波法に則り正しく設置されているかを、国の機関である近畿電波監理局(現在の総務省総合通信局)の検査官が直接訪問して確認する、いわば「最終試験」です。
検査官が自宅に訪れ、設置された無線設備を厳しくチェックします。ダミーロードとパワー計を用いて無線機の出力を確認し、実際に試験電波を発射して近隣への電波の影響がないかを詳細に測定します。特に、近隣の電界強度や電力密度が国の定める基準以下であることを確認することは、非常に重要な項目でした。緊張の中、すべての検査項目をクリアし、無事に落成検査に合格することができました。
奈良市にアマチュア無線局JA3CGZ誕生!そして未来へ

落成検査に合格し、正式な無線局免許証が届きました。
落成検査合格の知らせと共に、ついに正式な「無線局免許状」が郵送されてきました。この瞬間、私の努力が実を結び、奈良市に「アマチュア無線局JA3CGZ」が正式に誕生したのです!予備免許取得から約1年。長かったようで短かった、濃密な日々が報われた瞬間でした。
開局当初は、自作の受信機と送信機(終段807の3.5MHz、7MHz AM10W送信機)を使い、全国のアマチュア無線家たちと交信(QSO)を重ねました。初めて交信が成立した時の感動は、今も私の心を強く揺さぶります。この忘れられない経験が、私が今日まで無線を続ける原動力となっています。

開局当時のシャックは、上段に3.5、7MHzAM10w送信機《終段807》、下段に受信機とVFOを備えていました。
その後も私はアマチュア無線の世界に深くのめり込み、電話級(4級)から電信級(現3級)、2級、そして最高峰の1級へと、上位のアマチュア無線技士資格を次々と取得していきました。1995年には、ついに1KWの固定局免許を取得。この時も、もちろん厳格な落成検査が実施され、無事に合格しました。
2002年には、退職や転居、会社設立といったライフイベントにより一時的に閉局しましたが、アマチュア無線への情熱が再び私を突き動かしました。そして2021年11月、移動局として再開局。いわゆる「カムバックハム」として、再び電波の世界に戻ってきました。現在ではIC-705などの最新機器も活用しながら、日々、新たなQSOを楽しんでいます。
今日もまた、「CQCQCQ…」私の声が電波に乗って世界へ届きます。オペレーターはRYO KATOです。
まとめ
この記事では、私が中学生の時に4級アマチュア無線技士に合格し、最終的にアマチュア無線局を開局するまでの、波乱と感動に満ちた道のりをご紹介しました。アマチュア無線との運命的な出会いから始まり、予備免許取得、試験電波発射、そして緊張の落成検査を乗り越え、ついに念願の無線局免許状を手にするまでの過程は、私にとってかけがえのない経験です。この体験を通して、電波の奥深さ、そして人との繋がりの大切さを学びました。
アマチュア無線は、単なる趣味を超え、技術と知識、そして情熱が詰まった奥深い世界です。これから4級アマチュア無線の取得を目指す方、開局を考えている方、あるいは昔を懐かしむ「カムバックハム」の方々にとって、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。電波の世界で、あなたも新たな感動を見つけてみませんか?
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