「あれ、このバンド、以前はレピーター専用だったのに…」そんな疑問を感じたことはありませんか?実は2025年7月、総務省が重要なバンドプラン変更を施行し、それに準拠してJARLも2年ぶりにアマチュアバンドプランを改正しました。
今回の改正は、マイクロ波帯の運用環境を大きく変える可能性を秘めています。本記事では、この注目の改正内容について、解説します。


今回の改正で何が変わったのか

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ポイント:2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯の「レピーター専用」部分が、全電波型式で使用可能になりました。
これまで使用頻度が低調だったレピーター専用帯域が、レピーター以外の運用にも開放されたのです。これは単なる技術的な変更ではなく、マイクロ波帯での実験や交信の可能性を大きく広げる改正といえます。
理由:使用頻度が低調な帯域を有効活用するため、総務省が法的拘束力のあるバンドプランを変更したことが発端です。
限られた電波資源を効率的に活用することは、アマチュア無線の未来にとって重要な課題です。実際にレピーターとして使われていない帯域が長年放置されていたことは、多くの無線家が感じていた問題でした。総務省はこの状況を改善するため、2025年7月17日に「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」を改正・施行しました。
具体例:2400MHz帯では、従来レピーター専用だった2430~2450MHzの20MHz幅が、すべての電波型式で運用可能になりました。

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5600MHz帯でも5755~5765MHzの10MHz幅、10.1GHz帯では10.30~10.35GHzおよび10.40~10.45GHzの各50MHz幅が開放されています。これらの帯域では、デジタル通信の実験やナローバンドでの遠距離通信など、従来は制限されていた多様な運用が可能になります。特に2400MHz帯の20MHz幅という広帯域は、最新のデジタルモードやデータ通信の実験に最適です。

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ポイント再強調:JARLは総務省の改正に準拠し、2025年9月の理事会承認を経て、改正版バンドプランのPDF公開を開始しました。
なぜ2年ぶりの改正なのか

ポイント:JARLアマチュアバンドプランは、法的拘束力はないものの、国内の運用ルールとして重要な役割を果たしています。
バンドプランは無線家同士の「紳士協定」として機能しており、混信を避け、円滑な運用を実現するための指針です。そのため、総務省の公式バンドプラン変更に合わせて、JARLも自主的なバンドプランを改正する必要がありました。
理由:総務省の法改正という外的要因がなければ、バンドプランは頻繁に変更されません。
バンドプランの変更は、既存の運用環境に影響を与える可能性があるため、慎重に検討される必要があります。前回の改正から2年が経過していたのは、それだけ大きな変更要因がなかったということでもあります。今回は総務省による法的な変更という明確な理由があったため、速やかに改正作業が進められました。
具体例:JARLは2025年9月27日・28日の理事会で改正案を承認し、10月中旬からPDF版の公開を開始しました。
承認から公開までの約2週間という期間は、慎重かつ迅速な対応といえるでしょう。改正版PDFは、各バンドの新旧対照を含む詳細な資料として提供されており、無線家は自身の運用にどのような影響があるかを容易に確認できます。
ポイント再強調:総務省の改正施行から約2か月での対応は、JARLの迅速な判断を示しています。
アマチュア無線家への影響

ポイント:今回の改正は、マイクロ波帯での運用機会を拡大し、新たな実験の可能性を開きます。
特にデジタル通信やデータ伝送に興味がある無線家にとって、広帯域が使えるようになったことは大きなメリットです。また、これまで「使えない帯域」として意識されていなかった部分が活用できるようになることで、バンドプラン全体への関心も高まるでしょう。
理由:hamlife.jpのアクセスランキング1位を獲得したことからも、無線家の関心の高さがうかがえます。
この記事が先週のトップニュースとなったのは、多くの無線家が今回の改正に注目している証拠です。マイクロ波帯は技術的なハードルが高い反面、実験的な運用や最新技術の導入が活発な領域でもあります。新たな運用機会の誕生は、コミュニティ全体の活性化につながる可能性を秘めています。
具体例:2400MHz帯の新規開放部分では、Wi-Fiと同じ周波数帯を使った高速データ通信の実験が可能になります。
従来のFM通話やSSB通信だけでなく、デジタルモードやパケット通信、さらには画像伝送など、多様な運用形態を試すことができます。5600MHz帯や10.1GHz帯でも同様で、特に10GHz帯の広帯域開放は、将来的な超高速通信実験の基盤となるでしょう。
ポイント再強調:今回の改正は、単なるルール変更ではなく、アマチュア無線の可能性を広げる重要な一歩です。


まとめ
アマチュア無線バンドプランの2年ぶりの改正は、総務省による法改正を受けた必然的な対応でしたが、その影響は決して小さくありません。マイクロ波帯での運用機会が拡大したことで、新たな技術実験や交信形態が生まれる可能性が高まっています。
JARLの迅速な対応により、改正版バンドプランはすでにPDF形式で公開されています。これを機に、ご自身の運用スタイルを見直し、新たな帯域での運用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。マイクロ波帯の世界は、想像以上に奥深く、魅力的です。
改正版バンドプランをチェックして、新しい運用機会を探しましょう!
JARLのウェブサイトから改正版PDF版をダウンロードし、特に2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯の変更点を確認してください。すでにマイクロ波帯の設備をお持ちの方は、新規開放部分での運用を検討してみましょう。これから挑戦する方は、この機会にマイクロ波帯の魅力を知る第一歩を踏み出してください。
アマチュア無線の未来は、私たち一人ひとりの実験と挑戦によって創られます。新しいバンドプランとともに、新しい可能性を探求していきましょう!


