Originally posted 2023-10-29 12:00:27.
アイコム株式会社から、オールモードトランシーバー「IC-905」と「IC-905XG」が2023年8月に発売されました。IC-905は144~5600MHzをDV/DD/ATVを含むオールモードでカバーする、業界初めのトランシーバーです。
「IC-905XG」の発売は、アマチュア運用者にとって待ちに待ったニュースです。VHF~SHF帯でのオールモード運用が可能なトランシーバーは、広範な周波数帯域での通信が可能になります。ギガヘルツ帯の運用も可能なトランスバータが標準で付属しているのは非常に魅力的です。アイコムの最新技術を取り入れたこの製品には、多くのアマチュア運用者が注目していることでしょう。
今回は、未知のバンドに挑戦できる、本格的に楽しめる、V/U/SHFマルチバンダーであるIC-905を徹底的に解析していきます。
IC-905の概要
IC-905は144~5600MHzをDV/DD/ATVを含むオールモードでカバー、業界初のトランシーバーです。 さらに、CX-10Gを使用すると(IC-905はオプション/IC-905XGは標準付属) 、10GHzも運用可能です。最大出力は144/430/1200MHz帯が10W、2400/5600MHz帯は2W、10GHz帯は0.5Wを実現しています。
最大の利点は、RFユニットをコントローラーと分離し、アンテナ直下におけるを可能にしていること。これにより、高い周波数帯で大きな問題となる同軸ケーブルの損失を大幅に軽減しています。このコントローラーケーブルで電力を供給することが可能です。接続が1台のケーブルで済むため、RFユニットの設置自由は大幅に認められます。
また、高い周波数帯での運用では、より高い周波数の精度が求められるため、GPS(GNSS)信号を基準とする方式を採用しています。さらに、IC-905は操作性や機能も充実しています。世界的ヒットとなったIC-705の操作系を継承したさらに、突然スペクトラムスコープは最大スパンを50MHzとしもちろん、ターミナル/アクセスポイントモードといったD-STARの機能群、FT8の簡単設定も実現しています。さらにオプションのアンテナも充実。コーリニア アンテナAH-24(2400MHz帯)用)/AH-56(5600MHz帯用)/AH-100(10GHz帯用)、パラボラアンテナAH-109PB(10GHz帯用)もあります。
・144~5600MHz/(10GHz※)を幅広いモードでカバー。
※IC-905にはCX-10G(税込186,780円)が必要です。IC-905XGにはCX-10Gが標準付属。
・RFユニットをコントローラーと分離し、アンテナ直下において、アンテナまでの同軸ケーブルの損失を軽減します。
・コントローラーからRFユニットへの給電を実現。接続はコントローラーケーブル1本のみ。
・GPS(GNSS)信号を基準にすることで、究極の周波数精度を実現。
・最大50MHzスパンの広帯域をカバーするスペクトラムスコープ。
・FM方式のATVにも対応。アナログカメラを接続すれば本体のみで映像の送受信が可能。
・D-STARの機能も充実。
・10GHzトランスバーター付属のIC-905XGもラインナップ。
詳細はメーカーサイトでPDF版カタログがダウンロードではコチラへ
IC-905の機能・仕様の詳細
IC-905の機能・仕様の詳細を解説していきます。
144~5600MHz(10GHz※1)をオールモードでカバー
IC-905は144/430/1200/2400/5600MHz/10GHz※1をカバーする業界初※2のトランシーバーです。しかも、SSB、CW、FM、AM、RTTY、D-STARのDV/DD※3モード、さらにATV※3にも対応しています。最大出力は、144/430/1200MHzは10W、2400/5600MHzは2W、10GHzは0.5Wを実現しています。
※1 10GHz動作にはCX-10G(オプション)が必要、IC-905XGは標準付属。
※2 主要アマチュア無線メーカーとして。(2023年7月自社調査)
※3 1200MHz以上のバンドに対応。
コントローラーとアンテナ直下設置型RFユニットのセパレート構成。
IC-905 は、無線室ではなくアンテナの基部に配置されるように設計された RF ユニットを備えた業界初の超効率的なマイクロ波基地局です。この設計により、従来の SHF 設計に見られる、高価で長い同軸給電線の配線による信号損失が排除されます。IC-905 では、オプションの 50 m (164 フィート) または 20 m (65.6 フィート) のコントローラー ケーブルを使用できます。
RFユニットをコントローラーと分離し、アンテナ直下におくことで、アンテナまでの同軸ケーブルの損失を低減。
RF ユニットがアンテナに取り付けられている場合、同軸給電線はフィートではなくインチで測定されるため、送信および受信信号は最大効率になり、信号損失が最小限に抑えられます。これは、コントローラと RF ユニット間のデジタル通信を提供するコントローラ ケーブルによって可能になります。
コントローラケーブル経由で電源供給
コントローラーケーブルは電力の供給にも対応しています。接続が1本のケーブルで済むため、RFユニットの設置の自由度が大幅に高まりました。なお、IC-905には耐候性に優れた約5mのコントローラーケーブルが付属しています。また、オプションで20m(OPC-2513)、50m(OPC-2509)のケーブルもご用意しています。
GPS(GNSS)信号を基準にすることで、究極の周波数精度を実現
高い周波数帯での運用では、より高度な周波数の安定度が求められます。高性能なOCXOであっても、温度や経年変化により、 周波数は徐々に変化します。そこで、IC-905では、高い安定度を誇るOCXOを採用するだけでなく、GPSレシーバーおよびGPSアンテナを標準で搭載。GPS(GNSS)信号を基準とする方式を採用することで、きわめて安定かつ高精度な周波数管理が可能になりました。
最大50MHzスパンの広帯域をカバーするリアルタイムスペクトラムスコープ。
IC-7300/IC-9700/IC-705で高い評価を得ている、高性能リアルタイムスペクトラムスコープとウォーターフォール表示を実現しています。IC-905のスコープは、広大なSHF帯に対応すべく、最大50MHzの広帯域をカバーしています。
ATV (アマチュア TV) モード
FM方式のATV(FM-ATV、NTSC準拠)にも対応しています。アナログカメラを接続すれば、IC-905本体のみで、映像の送受信が可能です。映像の拡大表示にも対応しています。さらに、受信したビデオは、AV 出力コネクタを介して接続された外部ディスプレイで監視できます。
IC-705と統一感のある操作系
IC-905のコントローラーはIC-705をベースとしたデザインとなっています。操作系も可能な限りIC-705と統一することで、スムーズな設定、軽快な運用を可能にしました。もちろん、4.3インチの大型カラー液晶は、タッチ操作に対応しています。
D-STAR®の機能も充実。
DDモード、DR機能、ターミナルモード/アクセスポイントモード、DVレピータモニター機能など、快適にD-STARを楽しむための機能が充実しています。また、IC-905本体だけで、保存した写真の送受信、閲覧も可能です。
10GHz帯にも対応。
10GHzトランスバーター<CX-10G>(IC-905XGは標準付属)、10GHz用コーリニアアンテナ<AH-100>/10GHz用パラボラアンテナ<AH-109PB>もオプションで用意しています。これにより、難易度が高かった10GHzでの運用が、より身近に、そして、より気軽にチャレンジできるようになりました。
多彩なアンテナもラインナップ
コーリニアアンテナ3製品(2400MHz用/5600MHz用/10GHz用)をラインナップ。10GHz用には、さらに高性能なパラボラアンテナも用意しています。初心者の方にも、気軽にU/SHF運用にチャレンジしていただけます。
その他の機能
- SDカードスロットを装備。
- PCやモバイル端末とUSB Type-C™接続が可能。
- FT8の簡単設定を実現。
- メモリーチャンネル500(100グループ)、コールチャンネル:12(2×6バンド)、プログラムスキャンエッジ25。
- レピータ登録件数2500件/GPSメモリー登録件数300件 ほか。
IC-905の各部の名称
コントローラー
RFユニット
IC-905 おもな仕様
IC-905 おもな仕様
・周波数範囲:
<動作範囲>
144.000000MHz~146.000000MHz
430.000000MHz~440.000000MHz
1260.000000MHz~1300.000000MHz
2300.000000MHz~2450.000000MHz
5650.000000MHz~5850.000000MHz
<保証/送信周波数範囲>
144.000001MHz~146.000000MHz
430.000000MHz~440.000000MHz
1260.000000MHz~1300.000000MHz
2400.000000MHz~2450.000000MHz
5650.000000MHz~5850.000000MHz ※送信のみETC周波数帯域を除く
・モード:
SSB、CW、RTTY、AM、FM、DV、DD※、FM-ATV※
※1200MHz以上のバンドに対応
・アンテナ端子:
144/430/1200MHz N型(共通)
2400MHz SMA型(単独)
5600MHz SMA型(単独)
・電源電圧:
DC13.8V±15%(コントローラー部に供給)
・外形寸法:
コントローラー部:200(W)×83.5(H)×82(D)mm (突起物を除く) RFユニット部:172(W)×87.0(H)×210(D)mm (突起物を除く
)を除く)
・重量:
コントローラー部:940g
RFユニット部:3.2kg(付属品除く)
CX-10G おもな仕様
・周波数範囲:
10.000~10.250GHz、10.450~10.500GHz
(IF周波数2400MHz帯)
・アンテナ端子:
2400MHz IF入力用 SMA型
2400MHz(スルー)出力用 SMA型
10GHz出力用 SMA型
・電源電圧:
DC12V±15%(RFユニットから供給)
・外形寸法:
181(W)×115(H)×64(D)mm (突起物を除く)
・重量:
約1.3kg(付属品を除く)
仕様につきましては、アイコム株式会社の詳細のIC-905製品ページをご参照ください。
IC-905プロモーションビデオから
IC-905プロモーションビデオ
「売れるのか」「売れないのか」大胆予測されています!
<ツイッターの反応>
狭山工業高校無線部R.4~🎙️📻🐱
@JA1YUTIC-9700かIC-905くれなきゃアース引っ抜けちゃうぞ♡
もも
@momo_momo9QSO TNX。送信はIC-905 10Wでした。
中谷 宏樹
@7n1mjh返信先:@jj0wie 以前はIC-375Dでした。 IC-7100Mを経て今はIC-9700とIC-705です。IC-905も近々当たる予定です。
もも
@momo_momo壁の穴にIC-905のコントロールケーブル20mを軽く作業完了。コネクタの構造上、外側→内側しか通らないので、手間がかかりました。
アマチュア無線を楽しもう
@ja3cgz新製品紹介 144~5600MHz/(10GHz※)オールモードトランシーバー IC-905、IC-905XG (アイコム株式会社) ift.tt/JkQChmi
IC-905をお持ちの局長さんをご遠慮ください、これから1エリア5GHz帯ロールコールも案内することにしました。FM 5759.80MHzのようです。(5.7GHz帯メインより200kHz下)。ですので案内のみです。バンドの雰囲気だけでも掴めるかと思います。 youtube.com/watch?v=0HIKcO…
7L4MCV/ さいたまCS161
@saitama_cs161今日はローカルローカルのアンテナ降ろし作業でした。 本格的にやっていた時は2m 11x4x4で仰角ローテーターを付けてEMEを頑張っていたとの事。 その後11×4にグレードダウンしてさらに11×2をIC-905で楽しみですますとの事。ナガラ12×2とクリエイト11×2でスタック2段に出来るか? pic.twitter.com/sClx1taWei
にゃんくろ/サッポロSS420
@jh8ibn返信先:@jp1ppb PPBさん、とりあえず、IC-905いいですね👍★!クラウンじゃないけどいつかはIC-905デス。2.4Ghzですとちっさいので色々実験できますよね!よ~☺
河合伸恭 JG2PAR
@jg2partoko今日はCQオームさんで起きたIC−905シリーズの視聴会に来ました。X(旧ツイーター)でのトラブル原因が説明でよく分かりました。のイベントと違う服装のこの方です。いつもはアイコムの制服、本日はすごい服装でした。滅多に見ることは出来ないです。 pic.twitter.com/G46Aa7wOXg
7N3RLX(よこはまRL12)
@7N3RLX新しいリグ欲しいFT-710/IC-7300→現実的。FT-891よりはグレードアップでも、それならFTDX10が欲しくなる。CWデコーダも内蔵だし、外部ディスプレイかっこいい。IC-905も気になるけど、2400MHz以上は自作アンテナ、三脚取付金具などの自作が大変そう。 あ、430MHz 10W物不足 IC9700のが実用的
まとめ:IC-905、IC-905XG 144~10GHzオールモードトランシーバー (アイコム株式会社) 徹底解析!
アイコムの新製品「IC-905(XG)」は、VHF~SHFのアマチュア帯でオールモード運用が可能なトランシーバーとして話題です。
アイコムの新製品はかなり注目されると思います。アマチュア無線愛好家にとって、VHF~SHFのオールモード運用が可能なトランシーバーは非常に魅力的です。特に、CX-10Gとの組み合わせで10ギガヘルツ帯の運用これは新たな遊びの可能性が広がることは間違いありません。
これまであまり利用されていなかった周波数帯でのコミュニケーションが広がることを期待しています。