アマチュア無線家の皆さん、こんにちは!JA3CGZです。
2025年、ついにアイコムから待望のHF/50MHz帯トランシーバー「IC-7300MK2」が登場し、大きな話題を呼んでいますね。特に、YouTubeなどでは旧来の人気モデルである八重洲無線の「FTDX10」とのCWデコード性能を比較する動画が注目を集めており、「実際、どっちの性能が良いの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、HFエントリーモデルのベストセラーIC-7300の後継機「IC-7300MK2」と、ハイブリッドSDRの名機「FTDX10」について、今最も熱い比較ポイントであるCWデコード性能に焦点を当てて徹底比較します。スペック表だけではわからない「デコードの追従性」や「画面の見やすさ」、そして「設定のしやすさ」まで、JA3CGZ自身の視点も交えながら、あなたのリグ選びを全力でサポートします。
なぜ今、「CWデコード性能」が注目されるのか?

YouTubeでも話題沸騰中!CWデコード性能比較が注目を集める理由とは
最近、YouTubeで「IC-7300MK2」と「FTDX10」のCWデコード性能を比較する動画が大きな反響を呼んでいます。これは、単なる新製品への関心だけでなく、現代のアマチュア無線におけるCW運用のあり方の変化を象徴していると言えるでしょう。
YouTubeでの話題沸騰!性能比較動画が人気の理由
CW(モールス信号)は、アマチュア無線の原点とも言える奥深いモードですが、その習得には時間がかかります。しかし、近年のトランシーバーに搭載されたCWデコード機能は、受信したモールス信号をリアルタイムで文字に変換してくれるため、初心者でもCWの世界に足を踏み入れやすくなりました。
特に、今回比較する2機種は、そのデコード性能の味付けが大きく異なると言われています。IC-7300MK2は和文デコードや速度の自動追従といった最新機能を搭載している一方、FTDX10も熟成されたDSPによる安定したデコードに定評があります。こうした背景から、「実際のところ、どちらが実用的なのか?」という点が、多くのハムの関心事となっているのです。
実際にYouTubeで公開された比較動画は、投稿からわずか数日で7,900回以上の再生を記録しており、この話題への関心の高さがうかがえます。動画では実際のオンエア信号を使った比較が行われており、両機種の特性の違いが明確に示されています。
CW運用におけるデコーダーの役割と重要性
CWデコーダーは、単なる初心者向けの補助機能ではありません。ベテランのオペレーターにとっても、コンディションが悪い状況下での信号の確認や、長時間のコンテストでの疲労軽減など、多くのメリットがあります。
例えば、微弱なDX局の信号を追いかけている時、耳での判別に加えてデコーダーの表示が加わることで、コールサインの取りこぼしを防ぐことができます。私自身(JA3CGZ)も、デコーダーの助けを借りて貴重なエンティティをゲットした経験が何度もあります。特にパイルアップの中で相手局のコールサインを確認する際には、視覚的な補助があると安心感が違います。
また、CW初心者にとっては、自分の耳で聞き取った内容が正しいかどうかを確認する「答え合わせ」としても活用できます。これにより、学習効率が大幅に向上するという声も多く聞かれます。だからこそ、この機能の「使い勝手」と「精度」は、リグ選びの重要な判断基準となるのです。
【徹底比較】IC-7300MK2 vs FTDX10 CWデコード対決

和文デコード・速度追従・画面サイズなど、CW運用に特化した項目で徹底比較
それでは、いよいよ本題であるIC-7300MK2とFTDX10のCWデコード性能を、具体的な項目に沿って比較していきましょう。どちらがあなたの運用スタイルに合っているか、じっくり見極めてください。
比較表:CW運用に特化した性能チェック
まずは、CW運用で特に重要となるポイントを比較表にまとめました。
| 比較項目 | ICOM IC-7300MK2 | YAESU FTDX10 |
|---|---|---|
| 和文デコード | 対応(業界初) | 非対応 |
| デコード速度 | 自動追従(AUTO) | 手動設定 |
| 画面の見やすさ | 4.3インチIPS液晶 | 5インチTFT液晶 |
| 外部ディスプレイ | HDMI端子 | DVI-D端子 |
| 設定のしやすさ | プリセット機能あり | メニュー階層深め |
| 追従性の評価 | 高評価 | 設定次第で良好 |
| 受信方式 | RFダイレクト・サンプリング | ハイブリッドSDR |
| RMDR | 100dB以上 | 非公開 |
| 参考価格 | 約15万円前後? | 約22万円 |
デコードの追従性と精度
CWデコード機能で最も重要なのが、実際の交信における追従性と精度です。この点については、後発であるIC-7300MK2に軍配が上がると言えるでしょう。
IC-7300MK2は、相手局の送信速度に合わせてデコード速度を自動で調整してくれる「AUTO」モードを搭載しています。これにより、コンテストなどで速度が頻繁に変わる場面でも、ストレスなくデコード表示を追うことができます。YouTubeの比較動画でも、IC-7300MK2はほぼ正確にコールサインやレポート(599や5NNなど)をデコードしていました。
一方、FTDX10は速度を手動で設定する必要があります。ファンクションダイヤルを使って相手の送信速度に合わせる操作が必要となりますが、もちろん一度設定すれば安定してデコードしてくれます。ただし、相手の速度が変わるたびに調整するのは少し手間がかかります。この一手間をどう捉えるかが、評価の分かれ目となりそうです。
JA3CGZの視点
私も実際に両機を操作しましたが、特に初心者の方や、手軽にCWを楽しみたい方にとっては、IC-7300MK2の自動追従機能は非常に魅力的に映るでしょう。FTDX10のデコードも、ピタッと速度が合った時の安定感は素晴らしいものがありますが、やはり手軽さではIC-7300MK2が一歩リードしている印象です。
画面の見やすさと外部出力
デコードされた文字を瞬時に読み取るためには、画面の見やすさも重要です。本体ディスプレイのサイズはFTDX10が5インチ、IC-7300MK2が4.3インチと、FTDX10の方が一回り大きくなっています。文字の大きさや視認性を重視するなら、FTDX10が有利かもしれません。シャックの照明条件によっては、この差が意外と大きく感じられることもあります。
しかし、IC-7300MK2にはHDMI端子という強力な武器があります。これにより、PCモニターやテレビなど、家庭にある大画面ディスプレイに簡単に接続できます。デコード結果だけでなく、スペクトラムスコープも大画面で表示できるため、シャック全体の視認性が劇的に向上します。これは、FTDX10のDVI-D端子に比べて大きなアドバンテージと言えるでしょう。
また、IC-7300MK2はIPS液晶を採用しているため、斜めから見ても色の変化が少なく、視野角が広いのも特徴です。運用中に姿勢を変えても画面が見やすいというのは、長時間の運用では地味に効いてくるポイントです。
設定のしやすさと拡張性
IC-7300MK2は、FT8などで好評だった「プリセット機能」をCW運用にも展開しており、設定のしやすさでFTDX10をリードしています。一方、FTDX10はメニュー階層がやや深いものの、一度設定を追い込んでしまえば、自分好みの細かなカスタマイズが可能です。
また、忘れてはならないのが和文デコードの存在です。IC-7300MK2は、アマチュア無線機として初めて和文のデコードに対応しました。これにより、「サヨウナラ」や「アリガトウ」といった日本語のモールス信号を目で見て理解できます。国内のラグチュー(雑談)を中心に楽しみたい方にとっては、これは非常に大きな魅力となるはずです。
さらに、IC-7300MK2はUSB Type-C端子やLANポートも搭載しており、現代のPC環境との親和性が高いのも見逃せません。リモート運用やPCとの連携を考えている方には、この点も重要な判断材料となるでしょう。
結論:あなたのCW運用スタイルで選ぶべき一台は?

あなたの運用スタイルに合った一台を選ぼう
ここまで、IC-7300MK2とFTDX10のCWデコード性能を中心に比較してきました。それぞれの長所・短所を踏まえ、最終的にどちらを選ぶべきか、あなたの運用スタイルに合わせて結論を導き出しましょう。
IC-7300MK2がおすすめな人
- CW初心者で、これから本格的に挑戦したい方
- 和文CWの交信を楽しみたい方
- 難しい設定は苦手で、手軽にデコード機能を使いたい方
- 外部の大画面モニターに接続して快適な運用環境を構築したい方
- 最新の機能とコストパフォーマンスを重視する方
IC-7300MK2の最大の魅力は、やはり「手軽さ」と「和文対応」です。難しいことを考えずにCWの世界に飛び込み、国内の局とのんびり交信を楽しみたい、そんなあなたに最適な一台と言えるでしょう。また、RMDR(相互変調ダイナミックレンジ)が100dB以上に向上しており、混信の激しいコンテスト環境でも目的の信号をクリアに受信できます。
FTDX10がおすすめな人
- 受信性能(RMDR特性など)を最優先する方
- 本体の大きなディスプレイで視認性を確保したい方
- 自分で設定を追い込み、リグを使いこなす楽しみを味わいたい方
- すでにCWの基本的なスキルがあり、デコーダーは補助的に使いたいベテランの方
- YAESUブランドの堅実な作りと音質にこだわる方
FTDX10は、受信の基本性能の高さに定評のある名機です。CWデコード機能はIC-7300MK2に一歩譲る部分もありますが、無線機としての総合力は非常に高いレベルにあります。コンテストなどでシビアな性能を求める方や、じっくりと腰を据えてDXハンティングに挑みたい方には、FTDX10が頼れる相棒となるはずです。また、YAESUならではの「音の良さ」を評価する声も多く、長時間ワッチしていても耳が疲れにくいという意見もあります。
もしポータブル運用も検討しているなら →【徹底レビュー】IC-705の欠点とは?購入前に知るべき5つの注意点と賢い対策
最終的に、あなたがCW運用で何を最も重視するか。それが、最高の一台を選ぶための鍵となります。「手軽さと最新機能」を取るか、「熟成された総合性能」を取るか。どちらも素晴らしいリグであることは間違いありません。この記事が、あなたのリグ選びの一助となれば幸いです。73!


