2026年の幕開け、アマチュア無線の世界は「QSOパーティ」という、新年の挨拶を交わす一大イベントで賑わいます。コンテストと聞くと少し敷居が高いと感じるかもしれませんが、このQSOパーティは初心者の方こそ楽しめるお祭りのようなイベントです。
この記事では、「QSOパーティ 2026」への参加方法に不安を感じている初心者の方に向けて、準備から交信の実践、そしてログの提出方法までを、どこよりも分かりやすくステップバイステップで解説します。
アマチュア無線家にとって年始の恒例行事であるこのイベントの魅力を知れば、あなたもきっと参加したくなるはず。さあ、一緒に新年の交信を楽しみましょう!
そもそもQSOパーティってどんなイベント?

新年の挨拶を電波に乗せて交換するお祭り
「QSOパーティ」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどんなイベントなのかよく知らない、という方も多いのではないでしょうか。ここでは、QSOパーティの基本的な概要と、その魅力について解説します。
新年の挨拶を電波に乗せて楽しむお祭り
QSOパーティは、一般的なコンテストのように順位や得点を競い合うものではありません。その本質は、新年を祝い、全国のアマチュア無線家が電波を通じて「明けましておめでとう」の挨拶を交わす、和やかな「お祭り」です[1]。
その歴史は古く、1953年に「第1回 国内QSOパーティ」として始まって以来、形を変えながらも毎年多くのハム(アマチュア無線家)に親しまれてきました[2]。新年のすがすがしい空気の中、普段は交信しないような遠方の局とも繋がるチャンスがある、特別なイベントなのです。
参加のハードルは低い!初心者こそ楽しもう
「コンテストはベテランばかりで気後れしてしまう…」そんな心配は無用です。QSOパーティの参加資格は「アマチュア局およびSWL(Short Wave Listener=受信専門のリスナー)」とされており、アマチュア無線の免許があれば誰でも参加できます[1]。
さらに、まだ免許をお持ちでない方でも、短波ラジオなどの受信機さえあれば「SWL」として参加し、他の局の交信を聞いて楽しむことが可能です。たった1局と交信する(または受信する)だけでも、それは立派な参加の証となります。初心者の方にとって、これほど参加しやすいイベントは他にないでしょう。
目標は20局交信!干支の記念ステッカーをゲット
QSOパーティに参加する大きな楽しみの一つが、このイベントのために特別にデザインされた「記念ステッカー」の存在です。期間中に20局以上の局と交信(または受信)し、その記録(ログ)をJARL(日本アマチュア無線連盟)に提出することで、記念ステッカーを手に入れることができます[1]。
ステッカーのデザインは毎年変わり、その年の干支がモチーフになっています。2026年は「午(うま)」年。毎年参加して12年かけて十二支のステッカーをコンプリートすると、特製の記念盾を申し込むこともできるため、コレクションとしての楽しみも広がります[2]。
【速報】QSOパーティ2026 開催概要

開催期間:1月2日(金)~7日(水) 運用時間:09:00~21:00
それでは、JARLから公式に発表された「QSOパーティ 2026」の開催概要を見ていきましょう。ルールをしっかり把握して、イベントに備えることが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日時 | 2026年1月2日(金) 09:00 ~ 7日(水) 21:00 (JST) [1] |
| 参加資格 | アマチュア局およびSWL [1] |
| 使用周波数帯 | JARLが定めるアマチュアバンドプランに準拠 [1] |
| 呼び出し | 電話: CQ NEW YEAR PARTY / 電信(CW): CQ NYP [1] |
| 交換する通報 | RS(T)レポート + オペレーターの名前(ニックネーム等も可)[1] |
| 禁止事項 | レピータ(中継局)の使用、バンドプランからの逸脱 [1] |
より詳細なルールや注意事項については、必ず公式サイトの規約をご確認ください。
公式サイトで規約をチェック QSOパーティ規約 – JARL
初心者でも安心!QSOパーティ参加の3ステップ

準備編→実践編→ログ提出編の3ステップで初心者も安心
ここからは、QSOパーティに参加するための具体的な手順を「準備編」「実践編」「ログ提出編」の3つのステップに分けて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
【準備編】まずは無線機とアンテナのチェックから
イベントが始まってから慌てないように、事前の準備は万全にしておきましょう。まずはお使いの無線機やアンテナが正常に動作するか、基本的なチェックを行います。
特に、長期間無線機を動かしていなかった場合は、電源が入るか、送受信は問題ないか、アンテナのSWR(定在波比)は適切な値かなどを確認してください。また、交信の記録を取るための「ログ帳」や、PCで管理する場合はロギングソフトの準備も忘れずに行いましょう。
【実践編】実際に交信してみよう!
準備が整ったら、いよいよ交信にチャレンジです。最初は無理に送信しようとせず、まずはダイヤルを回して他の局がどのように交信しているのかをじっくり聞いてみる(ワッチする)のがおすすめです。
「CQ NEW YEAR PARTY」という声が聞こえたら、それがQSOパーティに参加している局です。交信の流れや雰囲気が掴めてきたら、勇気を出してCQを出している局を呼び出してみましょう。もちろん、自分でCQを出して、他の局からの応答を待つのも素晴らしい体験になります。
【フォン(電話)での交信例】
あなた: 「CQ ニューイヤーパーティ、CQ ニューイヤーパーティ、こちらはJA3CGZ、どうぞ」 相手局: 「JA3CGZ、こちらはJA1ABCです。こんにちは」 あなた: 「JA1ABC、こんにちは。レポート59です。オペレーター名はCGZです。どうぞ」 相手局: 「CGZさん、レポート59です。オペレーター名はABCです。今年もよろしくお願いします」 あなた: 「ABCさん、了解です。こちらこそよろしくお願いします。73(さようなら)」
【CW(電信)での交信例】
あなた: CQ NYP DE JA3CGZ K 相手局: JA3CGZ DE JA1ABC K あなた: JA1ABC GM HNY UR 599 / CGZ BK 相手局: GM TU CGZ SAN HNY UR 599 / ABC BK あなた: QSL ABC SAN 73 TU EE
【ログ提出編】2026年から電子ログに対応!
目標の20局以上の交信が完了したら、ログをJARLに提出します。嬉しいことに、2026年から、従来の紙ログによる郵送提出に加えて、電子ログでの提出が可能になりました[3]。これにより、手続きが大幅に簡略化され、より気軽に参加できるようになりました。
- 電子ログ提出: 専用のWebページからのアップロード、または指定されたEメールアドレスへの送信で提出が完了します。記念ステッカーも電子データ(PDF形式)で送られてくるため、返信用封筒の準備は不要です。
- 紙ログ提出: これまで通り、サマリーシートとログシートを印刷して記入し、郵送で提出することも可能です。ただし、シールタイプのステッカーを希望する場合は、84円切手を貼った返信用封筒を同封する必要があります。
提出の締切は2026年1月31日です。締め切りを過ぎないように注意しましょう。電子ログ提出の具体的な方法については、アマチュア無線専門誌「FBニュース」の解説記事が非常に参考になります。
電子ログ提出の詳細はこちら QSOパーティが電子ログ提出に対応、電子ステッカーも新登場 – FBニュース
QSOパーティを120%楽しむためのコツ

十二支コンプリートを目指していろいろなバンド・モードに挑戦
せっかく参加するなら、QSOパーティを最大限に楽しみたいですよね。ここでは、イベントをさらに楽しむためのいくつかのコツをご紹介します。
いろいろなバンド・モードに出てみよう
QSOパーティの開催期間は1月2日から7日までの6日間と、比較的長めに設定されています。この機会に、普段あまり運用しない周波数帯(バンド)や、SSB(電話)やFMだけでなく、CW(電信)やFT8といったデジタルモードに挑戦してみてはいかがでしょうか。
コンディション(電波の伝わり方)が良い日には、HF帯で遠方の局と交信したり、VHF/UHF帯で近隣の局とローカルな話に花を咲かせたりと、様々な楽しみ方ができます。思いがけないバンドで、新しい交信相手との出会いが待っているかもしれません。
X(旧Twitter)で参加を表明しよう!
近年では、X(旧Twitter)などのSNSを活用してアマチュア無線を楽しむ人も増えています。「#QSOパーティ」といったハッシュタグを付けて、「今から7MHzでCQ出します!」のように投稿すれば、あなたの投稿を見た他のハム仲間が応答してくれる可能性があります。
私も当ブログのコールサイン「JA3CGZ」で各地のバンドに出没予定です。もし聞こえていましたら、ぜひお気軽にコールしてください。Xでも運用情報を発信するかもしれませんので、ぜひチェックしてみてください。
目標は十二支コンプリート!
毎年QSOパーティに参加し、十二支のステッカーをすべて集めることを目標にしているベテランの方も多くいます。12年という長い年月がかかりますが、毎年コレクションが増えていくのは大きな喜びであり、参加を続けるモチベーションにもなります[4]。
まずは2026年の「午」ステッカーゲットを目標に、そしていずれは十二支コンプリートを目指して、長くQSOパーティを楽しんでいきましょう。
まとめ:2026年の幕開けは、QSOパーティで最高のスタートを!
本記事では、2026年に開催されるQSOパーティの参加方法から楽しみ方まで、初心者の方を対象に詳しく解説しました。QSOパーティは、新年の挨拶を交わしながら、全国の仲間と繋がることができる、アマチュア無線の素晴らしい文化です。
この記事が、あなたがQSOパーティに参加するきっかけとなれば幸いです。さあ、無線機の前に座って、2026年最初の交信を楽しみましょう。日本のどこかの周波数で、あなたからのコールを心よりお待ちしています!
QSOパーティをきっかけに、他のコンテストにも興味が湧いた方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。様々なコンテストの魅力や参加方法を紹介しています。
【2025年最新】アマチュア無線コンテスト入門!初心者が楽しめる8つのコンテストと参加方法を徹底解説
【参考文献】 [1] JARL. (2025). QSOパーティ規約. https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/qso_party_rule.html [2] JARL. (2025). QSOパーティを楽しもう!. https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/qso_party.html [3] FBニュース. (2025). ニュース/QSOパーティが電子ログ提出に対応、電子ステッカーも新登場. https://www.fbnews.jp/202512/news01/ [4] Active Shack. (2020). NYPはCWで行こう!(NYPのCW交信例). https://activeshack-jp.com/qso-example-by-cw-in-nyp/


