【徹底解説】デジタルモードFT8の新しい通信方式「Super Fox Mode」:DXペディションの常識を変える試行開始が近づいている

当ページのリンクには広告が含まれています。
  • URLをコピーしました!

アマチュア無線家の間で、デジタルモードFT8の新しい通信方式である「Super Fox Mode」が大きな話題となっています。特にDXペディションにおいては、従来の「Fox/Hound (F/H)」モードと比較して、QSO効率が劇的に向上すると予測されており、その試行開始が近づいていることに注目が集まっています。

本記事では、この「Super Fox Mode」の仕組みと、DXペディションでQSO確率の変化にどう影響するかを徹底解説します。

DXerとして知っておくべき運用スタイルや、WSJT-X v2.7.0-rc5以降への対応、さらには国内運用で問題視される可能性のある電波法F7Dの解釈についても深掘りし、新しい時代のDXingに備えるための情報を網羅的に提供します。

スポンサードリンク
目次

デジタルモードFT8の新しい通信方式「Super Fox Mode」とは?

【徹底解説】デジタルモードFT8の新しい通信方式「Super Fox Mode」:DXペディションの常識を変える試行開始が近づいている

「Super Fox Mode」は、従来のFT8 DXペディションモードの課題を解決し、QSO効率を飛躍的に向上させるために開発されたデジタルモードFT8の新しい通信方式です。

まずは、WSJT-Xへの搭載状況や、従来のF/Hモードとの具体的な違いについて解説します。

WSJT-X v2.7.0-rc5以降に搭載!新モードの仕組みとFox/Houndとの違い

Super Fox Modeは、デジタルモードのソフトウェア「WSJT-X」のv2.7.0-rc5以降のバージョンに組み込まれる予定です。これにより、世界中のFox局(ペディション局)とHound局(一般局)が新しい運用スタイルに移行することになります。

従来の「Fox/Hound (F/H)」モードでは、Fox局が同時に複数のHound局に応答するために複数のFT8信号を送信していました。

Super Fox Modeでは、この送信プロトコルを根本から見直し、より効率的で強力な信号での通信を実現しています。

帯域1512Hzの特別信号で実現するQSO確率の変化と最大+10dB改善

Super Fox Modeの最大の特徴は、Fox局が送信する信号にあります。この新方式では、従来のFT8信号よりも広い帯域1512Hzの特別信号を使用します。

この特別信号は、受信側での処理方法が最適化されており、最大で+10dBもの改善効果が見込まれています。これにより、今までコールしても応答を得られなかったような困難な状況でも、QSO確率の変化が期待できます。

試行開始が近づいている今、この大幅な受信改善がDXペディションの難易度を大きく変えることになるでしょう。

試行開始が近づいているSuper Fox Modeの動作原理(マルチキャリア局との関連)

試行開始が近づいているSuper Fox Modeの信号は、従来のF/Hモードで懸念されていた「マルチキャリア局」としての特性を、技術的に異なるアプローチで解決しています。

新しい特別信号は、単に複数のFT8キャリアを束ねたものではなく、単一の特殊な信号として設計されています。

Fox局側はこの強力な信号を送信し、Hound局側はこれまでのF/Hモードと同様に、広い帯域内でコールすることが基本の運用スタイルとなります。

DXペディションにおけるSuper Fox Modeの運用スタイルとQSO効率の向上

【徹底解説】デジタルモードFT8の新しい通信方式「Super Fox Mode」:DXペディションの常識を変える試行開始が近づいている

Super Fox Modeの導入は、DXペディションの現場に具体的な変化をもたらします。

ここでは、Fox局とHound局それぞれの役割と、QSO効率がどのように向上するのかを具体的に解説します。

Fox局(ペディション局)の役割と新しい送信プロトコル

Fox局(ペディション局)は、新しい送信プロトコルを使用することで、以前よりも少ない送信サイクルで多くのHound局との交信を成立させることができます。

特別信号の改善により、弱い信号の呼び出しもデコードしやすくなるため、Fox局側のストレスが軽減されます。

これにより、一回のDXペディションでより多くの局とのQSOが期待でき、QSO効率の向上に直結します。

Hound局(呼出局)が知っておくべき呼び出し方法と運用スタイル

Hound局(呼出局)にとって、基本的な運用スタイルは従来のF/Hモードと大きく変わりません。Fox局の信号帯域内で、分散して呼び出すことが推奨されます。

しかし、Fox局の信号がより強力でデコードされやすくなるため、Hound局は無理に大きな出力を出す必要性が減り、スムーズなパイルアップ対応が可能になります。

Fox局からの応答があった後も、Fox局側の周波数に引き込まれることなく、そのままの周波数でレポートを送るという点も、従来のF/Hモードと同様です。

パイルアップ対応力が向上!Super Fox ModeがDXペディションの常識をどう変えるか

Super Fox Modeの真価は、パイルアップ対応力の向上にあります。Fox局の信号強度が最大+10dB改善されることで、混雑したパイルアップの中でも、これまでノイズに埋もれていた信号が浮かび上がりやすくなります。

これは、Fox局がより多くのHound局をデコードできることを意味し、結果として全体的なQSO効率が大幅に向上します。

DXペディションの常識は、「いかにFox局に届くか」から「いかに効率よく応答を得るか」へと確実に変化するでしょう。

Super Fox Mode運用における注意点:国内運用の課題と電波法・F7D

【徹底解説】デジタルモードFT8の新しい通信方式「Super Fox Mode」:DXペディションの常識を変える試行開始が近づいている

画期的なSuper Fox Modeですが、運用を始める前に確認すべき重要な注意点があります。

特に日本国内での運用においては、電波法や技術的な側面に留意が必要です。

既存のDXペディションモード(F/H)運用時の周波数・バンドプランの遵守

デジタルモードFT8の新しい通信方式を使用する際も、無線局免許状に記載された周波数帯、および国際的なバンドプランの遵守は必須です。

Fox局としてDXペディションモードを運用する際は、通常のFT8サブバンドから外れた周波数を使用することが多いため、事前に運用周波数を周知し、混信を避ける必要があります。

WSJT-Xの設定ミスや知識不足でバンドプランを逸脱しないよう、細心の注意を払ってください。

国内運用における電波型式「F7D」や電波法の解釈に関する留意点

従来のDXペディションモード(F/H)運用時、Fox局が複数のキャリアを同時に送信する点が「F7D」(周波数分割多重信号)という電波型式に該当するのではないかという議論が、過去に国内の一部で起こりました。

Super Fox Modeは新しいプロトコルですが、複数の信号を同時に扱う性質上、国内での電波法上の解釈や、無線局免許状のF7Dの記載の有無が問題となる可能性もゼロではありません。

新しいモードの試行開始が近づいているため、JARLや総務省からの公式見解、および国内の運用スタイルに関する最新情報を必ず確認してください。

WSJT-Xのバージョンアップと最新情報の確認方法

Super Fox Modeを利用するためには、必須要件として「WSJT-X v2.7.0-rc5以降」のバージョンへのアップグレードが必要です。

デジタルモードFT8の新しい通信方式は進化が速いため、開発者であるK1JT Joe Taylor氏のウェブサイトや、公式フォーラム、そして信頼できるDXクラスタの情報源から、常に最新の情報を収集し続けることが重要です。

【まとめ】デジタルモードFT8の新しい通信方式でDXペディションが変わる

デジタルモードFT8の新しい通信方式「Super Fox Mode」は、DXペディションにおけるQSO効率QSO確率の変化を劇的に改善する可能性を秘めています。

試行開始が近づいている今、その仕組み(特別信号、最大+10dB改善)を理解し、WSJT-Xを最新版に更新しておくことが、DXCC獲得を目指すDXerにとって最も重要な準備となります。

新しい運用スタイルに対応し、電波法F7Dに関する国内の動向にも注意を払いながら、Super Fox Modeを活用して、ぜひ難関DXとの交信に成功してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次