アマチュア無線家の私たちにとって、極めて重要な情報をお届けします。総務省が公表した 周波数再編アクションプラン(令和7年度版) に、 アマチュア無線 430MHz 再編 の検討を示唆する記述が初めて盛り込まれました。
この記述は、 430MHz 帯が 1200MHz帯 と同様に「 二次業務 」に格下げされ、自由な利用が制限される可能性を意味しています。
本記事では、アクションプランの具体的な内容と、検討の背景にある「 自衛系無線システム 」との関連、そして我々アマチュア無線家がこの危機を回避するために唯一残された手段である「 パブリックコメント 」の重要性について、詳細かつ緊急にお伝えします。
衝撃の事実:なぜ今、アマチュア無線 430MHz 再編が検討されるのか?
総務省は、限られた電波資源の有効活用のため、毎年「周波数再編アクションプラン」を策定しています。今回の 430MHz 再編 検討の背景には、アマチュア無線を取り巻く厳しい現状認識があります。
アマチュア局の利用減少 1/4が総務省の検討根拠
アクションプランの中で、アマチュア無線については「ピーク時の 1/4程度まで利用者が減少している状況 」であると指摘されています。
総務省は、この大幅な 利用減少 を、周波数の再編・整理を検討する大きな根拠の一つとしています。利用者が減っている周波数帯は、他の新規システムへの転用が検討されやすくなるため、この事実は非常に重いと言えます。
周波数再編アクションプランの「自衛系無線システムに合わせた検討」とは?
今回のプランで最も注目すべきは、 430MHz 帯(430〜440MHz帯)について「 自衛系無線システムに合わせた検討 を進める」という文言が明記された点です。
「 自衛系無線システム 」とは、タクシー無線やMCA無線など、業務用として使われてきたシステム群を指します。これらのシステムは、携帯電話やデジタル簡易無線への移行が進み、利用局数が減少しているため、整理・再編の対象となっています。
総務省は、かつてレジャーや連絡手段として使われた 430MHz 帯の利用も、同様に携帯電話やLINEなどに置き換わり、利用が減少していると見なしている可能性が高いのです。
1200MHz帯と同じ道?懸念される「二次業務」への格下げリスク
このまま 430MHz 再編 の検討が進めば、アマチュア無線家にとって最悪のシナリオが現実味を帯びます。それは、 1200MHz帯 がたどった道です。
1200MHz帯 では、アマチュア無線は「 二次業務 」に位置付けられており、他の重要な通信業務が周波数を利用する際、アマチュア局は混信を与えないように、あるいは譲らなければならないという制限があります。
VHF/UHF帯で最も活発に利用されている 430MHz 帯がもし 二次業務 に格下げされれば、事実上、自由に使える周波数帯が大きく制限されてしまうことになります。
我々の 430MHz 再編を阻止する切り札:パブリックコメントで訴えるべき論点
周波数再編は、アクションプランに対する パブリックコメント (意見募集)の結果を踏まえて決定されます。この意見募集こそ、アマチュア無線家が利用の正当性を訴えることができる唯一の機会です。
430MHz帯が担う「アマチュア無線 デジタル」通信の最前線
単に「利用者が減っていない」と主張するだけでは不十分です。 430MHz 帯の現在の価値を具体的に訴える必要があります。
430MHz 帯は、C4FMやD-STARといった アマチュア無線 デジタル 通信の技術開発と普及が最も進んでいる周波数帯です。従来のFM通信だけでなく、新しいデジタル通信のモードの利用は多様化し、増加しています。
この周波数帯を規制することは、アマチュア無線の技術革新を停滞させることに直結します。
将来の電波利用を支える「ワイヤレス人材」育成への貢献
最も重要な論点の一つが、 ワイヤレス人材 の育成です。 430MHz 帯は、手軽な設備で、デジタル技術や電波伝搬、電子工作などを実験・研究できる、入門者から上級者までが学ぶための理想的な環境です。
ここでの技術的な経験が、将来、日本の通信技術や電波利用を支える専門家( ワイヤレス人材 )を生み出す土壌となっていることを、強く訴えかけるべきです。
昔ながらの利用(FM)だけでなく多様化する430MHz帯の利用実態
総務省が想定するレジャー/連絡手段としての利用が減少したとしても、 430MHz 帯の利用価値は消えていません。
デジタル通信、VOP(Voice Over Packet)、移動運用、地域防災訓練への貢献など、その利用形態はむしろ多様化しています。これらの新しい利用実態を、具体的な例を挙げて訴えることが重要です。
【緊急行動】パブリックコメント提出の具体的な方法と意見の書き方
危機を回避するために、アマチュア無線家一人ひとりが意見を届けること、すなわち パブリックコメント の提出が不可欠です。
パブリックコメントで意見が通るために意識すべきポイント
意見は感情論ではなく、論理的・建設的に書く必要があります。以下の点を意識してください。
- 根拠を明確にする: 430MHz帯が ワイヤレス人材 育成の場である、 アマチュア無線 デジタル 通信の研究に不可欠である、といった具体的な理由を述べる。
- 公的な視点を持つ: 個人の利便性ではなく、国の電波政策や技術発展にどう貢献しているかという公的な視点から意見を構成する。
- 正確なデータを用いる: 可能な範囲で、デジタル通信の利用状況や、災害時などの貢献事例を盛り込む。
周波数再編アクションプランへの意見提出期間を確認する
周波数再編アクションプラン に対する意見募集期間は限られています。期間は総務省の報道資料で確認できますが、例年、発表から約1ヶ月程度です。
この期間を逃してしまうと、正式な意見として受理されません。今すぐ総務省のウェブサイトを確認し、意見提出の準備を始めてください。
まとめ:430MHz 再編の危機を乗り越えるために
今回の 周波数再編アクションプラン(令和7年度版) における 430MHz 再編 の検討は、アマチュア無線界にとって最大級の危機です。
この危機を乗り越える唯一の方法は、 パブリックコメント を通じて、 430MHz 帯が単なる趣味ではなく、 アマチュア無線 デジタル 技術の最前線であり、日本の未来の ワイヤレス人材 を育む重要な資源であることを総務省に訴えかけることです。
アマチュア無線を未来に残すため、一人でも多くの方が行動を起こすことを強くお願いします。