待ち焦がれていた全国のアマチュア無線家の皆さんへ朗報です!八重洲無線から発売予定だったポータブルオールモード機「FTX-1シリーズ」が、ついに2025年6月に発売されることが決定しました!
昨年8月のハムフェアで発表され、2025年初旬の発売が予定されていましたが、詳細な情報がなかなか出てこず、やきもきしていた方も多いのではないでしょうか? 今回、ようやく販売店向けに詳細な案内が公開され、発売時期と価格、そして気になるスペック情報が明らかになりました。
この記事では、発表された情報をまとめ、気になるポイントや、IC-705との比較などについて解説していきます。
FTX-1シリーズ の3つのタイプ
FTX-1シリーズには、用途や出力別に3つのタイプが用意されています。
タイプ | 出力 | 価格(税込み) |
---|---|---|
FTX-1F(フィールド10Wバージョン) | 10W | 15万9500円 |
FTX-1optima50(50W運用バージョン) | 50W | 23万7600円 |
FTX-1DX(固定運用100Wバージョン) | 100W | 23万1000円 |
注目すべきは、100Wバージョンの方が50Wバージョンよりも安いという点です。移動運用向けの50Wバージョンは、専用アンプを背面に装着することで50W出力を実現します。
FTX-1 Field★フィールド運用10wバージョン
・標準価格(税込):159,500円
・構成品:フィールドヘッド、DCケーブル(L型丸ピン 低電流タイプ)、大容量リチウムイオンバッテリー SBR-52LI 付属

https://www.hamlife.jp/2025/05/03/yaesu-ftx1series-release/
写真は10W(付属バッテリー時6W)の「FTX-1 Field」で背面にオプションのATUやクーリングファンなどが取付できる。
大容量バッテリー、アンテナチューナー(オプション)をフィールドヘッドに取り付けたスタンドアローンで、6Wのフィールド運用が可能です。
FTX-1 optima-50★フィールド運用/モービル運用 10W/50Wバージョン
・標準価格(税込):237,600円
・構成品:フィールドヘッド、SPA-1M(50W仕様 RFアンプ)、DCケーブル(フィールドヘッド用 L型丸ピン 低電流タイプ)、DCケーブル(RFアンプ用赤黒2線 ヘビーデューティータイプ)、大容量リチウムイオンバッテリー SBR-52LI 付属

https://www.hamlife.jp/2025/05/03/yaesu-ftx1series-release/
写真は付属のATU内蔵50Wパワーアンプを装着した状態の50W機「FTX-1 optima-50」。大容量リチウムイオンバッテリーも付属するので、パワーアンプと付け替えればFTX-1 Field同様のポータブル運用ができる。
FTX-1 DX★固定局運用 100Wバージョン
標準価格(税込):231,000円
構成品:フィールドヘッド、SPA-1(100W仕様 RFアンプ)、DCケーブル(RFアンプ用 赤黒2線 ヘビーデューティータイプ)
※日本の電波法上、FTX-1 DXを移動用として運用することはできませんのでご注意ください。
FTX-1シリーズ の主な特徴

ハムフェア2024の八重洲無線ブース。参考出品のFTX-1Fに注目が集まった
八重洲無線が「ハムフェア2024」会場で参考出品し話題を集めた「FTX-1F」は、今回発表された “FTX-1シリーズ” 3タイプのうちの1機種でした。機種名の最後に付けられた “F” は「Field」を意味していたようです。
FTX-1シリーズ共通の主な特長
FTX-1Fは、ポータブルオールモード機として、IC-705と比較されることが多いですが、いくつかの重要な違いがあります。
2波同時受信
IC-705は改造しないと168MHzやマリンVHFなどの受信が難しいですが、FTX-1Fは30kHzから174MHzまで連続受信可能です。
APRSフル対応
IC-705ではオプションのGPSキットが必要でしたが、FTX-1Fは本体にGPSレシーバーが内蔵され、APRSにフル対応しています。
C4FM同時受信・同時再生
2波でC4FMの待機が可能なため、VVUとの組み合わせなど幅広い運用が可能です。
HF帯とVU帯のアンテナ端子分離
IC-705は1つのアンテナ端子のみですが、FTX-1FはHF帯とVU帯でアンテナ端子が分離されているため、より柔軟なアンテナ運用が可能です。
FTX-1シリーズ共通の特長《詳細》
では、特徴の詳細を見ていきましょう!
★1.8MHz~430MHz帯のアマチュア無線バンドをオールモードでフルカバー
★独立した2つの受信回路構成により、HF/V、HF/U、V/U、U/V、V/V、U/Uの同時受信に対応
★C4FM・C4FMの同時受信、同時再生に対応
★妥協のないSDR受信回路構成により高い基本性能を実現
★HF帯からUHF帯まで全10分割されたBPF(バンドパスフィルター)を装備
★10.592MHzの高精度発振回路を採用し、優れたC/N特性近接二信号特性を実現
★デュアルコア32bit浮動小数点高速DSPによる多彩で効果的な混信除去機能を実装
★4.3インチの高精細TFTカラータッチパネルディスプレイを搭載
★3DSSに対応した高速リアルタイムスペクトラムスコープを実装
MULTIファンクション表示、ウォーターフォール表示、フィルター/混信除去機能動作表示
★ディスプレイモード・メーター表示・スコープカラー等、カスタマイズ可能な表示設定
★[HF/VUバンド]メモリーチャンネルをバンドごとに呼び出すことができるMAG(メモリーオートグループ)機能
★[HF/VUバンド]現在の運用状態をワンタッチで記録・呼出しができるQMB(クイックメモリーバンク)機能
★[HFバンド]FT8の運用に最適な「PRESET」モード
★[VUバンド]最大5chを簡単にモニター・運用ができるPMG機能を実装
★ワンタッチで受信感度の最適化・信号処理を実行し、音声了解度を上げるスーパーDX機能
★メモリーチャンネルをスコープ表示し、タッチ操作で移動できるメモリーチャンネルスコープ
★4色のカラーで運用状態がひと目でわかるVMI(VFOモードインジケータ)
★高音質・大音量2WAYフロントスピーカーを搭載
★交信音の録音/再生、各種設定やメモリー情報を保存できるmicroSDカードスロットを装備
★デスクトップマイク、Bluetoothアクセサリー、ATAS-120Aなど、多彩なYAESUアクセサリーに対応
「FTX-1 Field」「FTX-1 optima-50」の特長
★6,400mAh大容量電池SBR-52LIが付属し、バッテリーで6W、外部DC電源で10Wの送信出力
★短波帯SSB、送信出力6Wでのバッテリー運用で約9時間の運用が可能
★USB Type-C(PD 45W以上)接続での高速充電に対応し、バッテリー単体での充電も可能
★送信出力を5W以下に設定できるQRPモードを搭載
★バッテリーとの同時装着で一体化が可能なアンテナチューナーFC-80(オプション)に対応
★ロングワイヤー オートアンテナチューナーFC-90(オプション)に対応
★optima-50本体(RFアンプ)は送信出力50Wで、本格的な移動運用・モービル運用が可能
★optima-50本体にはHF/50MHz帯オートアンテナチューナーを内蔵、2系統のアンテナ端子を実装
★optima-50本体トップパネルに口径66mmの出力2.5W大音量スピーカーを内蔵
「FTX-1 DX」の特長
★100Wパワーアンプ(V/UHF帯50W)により、オールバンドオールモードの本格的な固定局運用が可能
★アルミダイキャストとクーリングファンによる放熱設計により、安定したハイパワー出力運用に対応

FCCの公示資料より。100Wタイプの底面と思われる
気になるオプション
FTX-1Fには、いくつかのオプションが用意されています。
- アンテナチューナー(FC90): 標準価格 3万5200円(税込み)
- リチウムイオン用バッテリー: 6400mAh、価格 1万9800円
- クーリングファン
- GPSアンテナ
- Bluetoothユニット
- Bluクションガード
バッテリーは付属している可能性がありますが、詳細な情報はまだ公開されていません。
オプションの詳細を見ていきましょう!
★HF/50MHz帯10W オートアンテナチューナー「FC-90」
(ロングワイヤー/50Ω系アンテナ対応)
標準価格(税込):35,200円
★HF/50MHz帯10W オートアンテナチューナー「FC-80」
(スペーサー付属、SBR-52LIまたはSCF-1と同時装着可能)
標準価格(税込):35,200円

FTX-1Fのモックアップ背面にオートアンテナチューナーを装着したところ(ハムフェア2024で撮影)。細部はFC-80と異なる可能性がある
★大容量リチウムイオンバッテリー「SBR-52LI」
(10.8V 6,400mAh)
標準価格(税込):19,800円

FTX-1Fのモックアップ背面に大容量バッテリーパックを装着したところ(ハムフェア2024で撮影)。細部はSBR-52LIと異なる可能性がある。容量は当初予告の5,670mAhから6,400mAhへ約13%アップしている
★50W RFアンプ「SPA-1M」
(HF/50MHzオートアンテナチューナー、スピーカー内蔵)
標準価格(税込):88,000円
★クーリングファン「SCF-1」
標準価格(税込):6,600円
★GPSアンテナユニット「FGPS-5」
標準価格(税込):6,600円
★Bluetoothユニット「BU-6」
標準価格(税込):6,600円
★プロテクションガード「SPG-1」
標準価格(税込):4,950円
FTX-1シリーズの主な仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
送信周波数範囲 | 1.8MHz帯~430MHz帯のアマチュアバンド/非常連絡設定周波数 4630kHz |
受信周波数範囲 | 30kHz~174MHz、400MHz~470MHz(動作範囲) 1.8MHz~440MHzアマチュアバンド(保証範囲 ※中間周波数を除く) |
受信方式 | ダイレクトサンプリング スーパーヘテロダイン方式(受信周波数48MHz未満) シングルコンバージョン・IFサンプリング方式(受信周波数48MHz以上) |
電波型式 | A1A(CW)、A3E(AM)、J3E(LSB/USB)、F3E(FM)、F7W(C4FM) |
電源電圧 | DC10.8V(SBR-52LI使用時)、DC13.8V±15%(外部電源端子) |
送信出力 | FTX-1 Field: 0.5W~6W(SBR-52LI使用時)、0.5W~10W(外部電源接続時) FTX-1 Optima-50: 5W~50W FTX-1 DX: 5W~100W(HF/50MHz帯)、5W~50W(144/430MHz帯) |
外形寸法(突起物含まず) | FTX-1 Field: 213W×89H×55D mm FTX-1 Optima-50: 213W×89H×240D mm FTX-1 DX: 213W×89H×240D mm |
重量 |
FTX-1 Field: 約1.25 kg |
※八重洲無線のHPにもまだ掲載されていませんでした。(2025年5月4日現在)
IC-705との比較
IC-705との比較では、FTX-1Fは、より高機能な受信回路とAPRS対応が大きな魅力です。また、アンテナ端子分離により、より自由度の高いアンテナ運用が可能です。
未確認の仕様と今後の確定情報について
今回の発表では、八重洲無線からのFTX-1シリーズに関する情報において、「WIRES-X」や「APRS」への対応についての言及がありませんでした。しかし、「ハムフェア2024」会場で配布されたチラシには、「APRS、インターネット通信ワイヤーズにも対応」という記載がありました。この点については、引き続き確認が必要となります。
また、100Wタイプの「FTX-1 DX」が「固定局(移動しない局)」の免許以外に、フィールドヘッドのみを使用して「移動する局」の免許が受けられるかについても不明です。FTX-1 DXには、フィールドヘッドのみで運用する際のDCケーブル(L型丸ピン 低電流タイプ)が付属していないため、“取り外したフィールドヘッドでの移動運用は不可”と見なされている可能性があります。これらの詳細については情報が判明次第、本記事内で追記していきます。
まとめ
FTX-1Fは、2波同時受信やAPRS対応など、IC-705を凌駕する機能を搭載したポータブルオールモード機と言えるでしょう。価格は決して安くはありませんが、その性能と利便性を考えると、魅力的な選択肢になるのではないでしょうか?
発売が待ち遠しいですね!詳細情報が公開され次第、随時情報を更新していきますので、引き続きチェックしてみてください。
CQオームにて「プレ予約」販売が始まっています。CQオームはコチラ▶
※楽天市場とYAHOOでは予約が始まっています。※Amazonはまだのようです。