【検証】ドローンでアンテナ点検は可能か?2026年の法規制と無線家が知っておくべき「空撮の落とし穴」

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アマチュア無線家の高齢化が進む中、高所に設置されたタワーやアンテナのメンテナンスは、多くの無線家にとって大きな課題となっています。かつては当たり前だった自力でのタワー昇降も、年齢とともに困難になり、安全面でのリスクも無視できません。そんな中、新たな解決策として注目されているのが「ドローン」の活用です。

ドローンを使えば、地上にいながらアンテナの状況を詳細に確認でき、安全かつ効率的な点検が期待できます。しかし、その手軽さの裏には、法規制や電波法、プライバシー問題といった「空撮の落とし穴」が潜んでいます。本記事では、2026年1月現在の最新情報に基づき、アマチュア無線家がドローンでアンテナ点検を行うために知っておくべき法律の遵守事項や、安全運用のポイントを詳しく解説します。

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目次

ドローン点検のメリットとデメリット

ドローン点検のメリット・デメリット
ドローン点検のメリット・デメリット

ドローンによるアンテナ点検は、従来の点検方法に比べて多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットや注意点も存在します。導入を検討する前に、両側面を正しく理解しておくことが重要です。

① 安全性の劇的な向上

最大のメリットは、何と言っても「安全性」です。高所作業に伴う転落リスクを完全に排除できるため、特に高齢の無線家にとっては大きな安心材料となります。これまで専門業者に依頼する必要があった高所点検も、ドローンを使えば自分自身で安全に実施できます。

② 詳細な状況把握と記録

4Kカメラを搭載したドローンであれば、アンテナのエレメントの錆やボルトの緩み、給電部の状態などを地上から詳細に確認できます。撮影した映像や画像は記録として保存できるため、過去の状態と比較して経年劣化を把握したり、修理計画を立てたりする際に役立ちます。

③ コストと時間の削減

専門業者にタワー点検を依頼すると、高額な費用と時間が必要になります。ドローンを導入すれば、初期投資はかかるものの、ランニングコストを抑えつつ、必要なタイミングでいつでも点検を行うことができます。天候の良い日を選んで、わずか数十分で点検を完了させることも可能です。

④ デメリット:法規制と天候への依存

一方で、ドローンの飛行には航空法をはじめとする様々な法規制が伴います。また、雨や強風といった悪天候時には飛行させることができず、点検スケジュールが天候に左右されるというデメリットもあります。これらの規制や制約を正しく理解し、遵守することが安全な運用の前提となります。

2026年最新!ドローン飛行に関わる法規制

ドローン飛行の主な法規制
ドローン飛行の主な法規制

ドローンを飛行させるには、主に「航空法」の規制を遵守する必要があります。2022年12月の法改正により、100g以上の機体は「無人航空機」として扱われ、登録が義務化されました。ここでは、アンテナ点検に関わる主要な規制を解説します。

① 機体登録制度

100g以上のドローンは、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS)」を通じて機体情報を登録し、リモートID機能を搭載しなければなりません。リモートIDとは、機体の識別情報を電波で遠隔に発信する機能で、自動車のナンバープレートのような役割を果たします。未登録の機体を飛行させると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

② 飛行許可・承認が必要な空域

以下の空域でドローンを飛行させる場合は、事前に地方航空局への申請と許可が必要です。

  • 空港等の周辺の上空
  • 地表または水面から150m以上の高さの空域
  • 人口集中地区(DID)の上空

自宅の敷地内であっても、これらの空域に該当する場合は許可が必要となるため、事前に国土地理院の「地理院地図」などで確認が必須です。

③ 特定飛行とカテゴリー分類

ドローンの飛行は、リスクに応じて「カテゴリーⅠ」「カテゴリーⅡ」「カテゴリーⅢ」の3つに分類されます。アンテナ点検のような「特定飛行」(上記の許可が必要な空域での飛行や、夜間飛行、目視外飛行など)の多くはカテゴリーⅡに該当し、操縦ライセンス(国家資格)の保有や、国の認証を受けた機体の使用が求められる場合があります。

無線家が注意すべき電波法とプライバシー

無線家が注意すべきポイント
無線家が注意すべきポイント

アマチュア無線家がドローンを運用する際には、航空法だけでなく、自身の専門分野である「電波法」や、第三者の権利である「プライバシー」にも注意を払う必要があります。

① FPV用5.8GHz帯の免許

ドローンからの映像をリアルタイムでゴーグルに伝送するFPV(First Person View)システムでは、主に5.8GHz帯の電波が使用されます。この周波数帯をアマチュア無線として利用するには、第四級アマチュア無線技士以上の資格と、無線局免許状に「5.8GHz帯の電波を使用するFPV装置」に関する記載を追加するための変更申請が必要です。無免許でFPVを使用すると電波法違反となるため、必ず正規の手続きを行いましょう。

② 映像の第三者への公開

ドローンで撮影した映像をYouTubeなどで公開する場合、その映像に他人の敷地や顔が映り込んでいると、プライバシーの侵害にあたる可能性があります。撮影時には、第三者の私有地が映らないように画角に注意し、万が一映り込んでしまった場合は、編集でぼかしを入れるなどの配慮が不可欠です。

③ 電波干渉のリスク

ドローンの操縦や映像伝送には2.4GHz帯や5.8GHz帯の電波が使われており、これはアマチュア無線やWi-Fiなどでも利用される周波数帯です。特に、複数の無線設備が近接する環境では、電波干渉によってドローンの操縦不能といった事態に陥るリスクもゼロではありません。アンテナ点検を行う際は、他の無線設備の運用を一時的に停止するなど、安全対策を講じることが望ましいでしょう。

まとめ:安全なドローン活用で無線ライフを豊かに

ドローンによるアンテナ点検は、安全性の向上やコスト削減など、多くのメリットをもたらす画期的なソリューションです。しかし、その運用には機体登録や飛行許可、電波法の遵守といった様々なルールが伴います。これらの法規制を正しく理解し、安全第一で運用することが、トラブルを未然に防ぎ、ドローンの恩恵を最大限に享受するための鍵となります。

本記事で解説したポイントを参考に、安全なドローン活用計画を立て、これからのアマチュア無線ライフをさらに豊かで楽しいものにしていきましょう。

参考文献

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