先日から、シリーズにて「次世代アンテナCPATU導入プロジェクト」をお届けしております。
- 設置場所からアース設置までの計画を一挙公開!
- CPATUに最適なオートアンテナチューナー(ATU)選定
- 購入と組み立て、設置工事編 をお送りしてきました。
今回は、いよいよATUの設置に続き、実際に電波も出してSWRの測定やレビューもしてみたいと思います。
ATUの選定と付属品の準備
先日、「CPATUに最も良いATUはどれか?」や「今購入するのだったら、どのATUがお得になるのか」を調べて
「CPATUに最適なオートアンテナチューナー(ATU)はどれか?」の記事にまとめました。
今回は、いよいよ、ATUの選定と設置をしていきます。
ATU選定~AH-730(ICOM)に決定
CPATUに使用するATUですが、当局の無線機はICOMなので、今回は、ICOM製のATUに決めました。
ICOMからは、これまでAH-2、AH-3、AH-4、AH-705、AH-730が発売されています。その中で、安定的に入手出来る、性能も最高ということで、AH-730に決定しました。AH-2~4はオークションなどで中古が手に入る可能性はありますが、屋外設置の機器なのでどうしてもかなりの使用感であるにもかかわらず、新品の価格と大差がありません。なので、今回はAH-730の新品を購入することにしました。
メインの無線機がIC-7800なので、200Wまで使えるCG-3000も選択枝ですが、CG-3000は50MHz帯が使えないので、今回は選考外に。また、中華製で安価なATUも発売されているが、CPATU直下に設置となっているので、中華製も選外になってしまいました。
当局では、ATU導入が初めてなので、AH-7300で経験した上で、将来CG-3000や中華製も使っていきたいと思っています。
AH-730の購入・開封
購入は
AH-730が届いて開封!
プラボックス購入
ATUは元々外置きのように設計されています。雨ざらしはあまりにも可哀想なので、防水ケースの中に設置することにしました。少しでも寿命を延ばすためにも良いと思います。プラボックスは、Amazonでちょうど良いサイズが見つかったので「ポチッ」。次の日に届きました。
ATUを仮設置してみた!
ケース内にAH-730を置いてみたらちょうどピッタリ、木製基板のサイズが、ATUのサイズより大きいものを選んだのが正解でした。
準備していきます!
プラボックス内にATUを取り付け
屋上手すりへの取り付け方法
取り付ける場所と取り付け方法を決めます。
屋上の手すりの桟が約11cm間隔なので、1本開けて2本間隔で、プラボックスにUボルトで止められることがわかりました。このBOXは、開き方を左・右のどちらにも出来る様になっています。設置場所の条件(右側に手すりの補助パイプがあり、左開きだとドアが当たってしまう)により右開きとしました。(写真では逆になっています)
取り付けに使うためのUボルトを探していたら、コの字型(写真参照)のボルトが見つかりました。
ボックスの取り付け部分は、次の写真の様にドリルにて穴を開けました。ワッシャーも両面テープで貼り付け済み。
同軸ケーブルの準備
当局の場合、屋上のCPATUからシャック横のアンテナ引き込みBOXまでは20m弱ですので、同軸ケーブル20mを準備します。
HF帯の電波減衰は比較的低いと考えられるのて、5DFBで十分だ考えています。品質の優れているといわれる『(株)フジクラ』を注文しました。
コントロールケーブルの準備
ケーブルは、購入したAH-730には10mが付属していますが、今回の設置場所では全長約26m以上が必要です。
ネットで探していると、ラッキーにも、少し余裕のある【28mのケーブル】がヤフオクに出品されていたのです。しかも2日後にうまく落札できました。こんなにピッタリのサイズが手に入ったのは奇跡的でした!
ただ、到着後商品を見て分かったのでが、このケーブルはシールドがありませんでした。(電波障害など起こらねば何の問題はありませんが・・・)
オークションが落札できないときのために、切り売り可能の4芯ケーブル(シールド有)の販売店を見つけていましたので、下記にURLを掲載しておきます。
ATUでは、耐圧も60Vで十分、そこまで電流が流れないので、【0.3mm0.3sq】で十分です。
同じ規格ですがシールド無もありました。
端子の購入とケーブルへの取り付け
今回必要なケーブルの端子ですが、次の写真の様に両端共【オス】が必要です。念のため配線色も掲載しておきます。
実は、今回落札したオークション出品の方のご親切で、【オスとメス】のセットを一緒に送っていただけましたので、新たに購入することなく、ケーブルの準備が完了しました。
端子セットが必要なら、ヤフオクなどで【ICOM/アイコム 4ピン 電源コネクタ 電源端子 圧着端子 オスメス】を購入すると良いでしょう。
アース(カウンターポイズ)準備
アースセットは、以前CQオームで購入したものがありましたので今回はそれを使うことに。
ところが、ATUへの接続線のサイズが上手くありませんでした。
ATUへの引込み線が短いこと。取り付けの丸形端子大きすぎるため、作り直す必要がありました。
ATUに取り付けるビスは、3~4mmなので、その大きさの端子をつけた線を製作した。
こんなケーブルを、オプションでつけていただくとうれしいですね。
アース~ATUの接続線は全長を約20cm程度にした。接続部分がケースの外に出るので、防水対策(テープ処理)を行った。
全ての取り付け完了図
いよいよ、屋上のへの設置
5月5日(木)本日、いよいよ屋上での取り付け作業です。幸いにも快晴に恵まれました!
取り付け完了図
CPATUへの給電ケーブルの引込み部
給電ケーブルを通した穴には、エアコン用シールドパテを塗り込んだ。
同軸とコントロールケーブルの取り出し部
アース(カウンターポイズ)の取り出し部と配置の様子
5mのアース線は、屋上に放射状に引き回した。
ATUの取り付け完了全体図
日没を少しすぎて、工事が全て完了しました。5月なのでとても昼間が長く、日没は過ぎてもまだ屋上は明るかった。
受信とSWR測定
いよいよシャックでのオペレーションです。
各バンドの受信とチューニングテスト
同軸ケーブルはSWR計を通じて接続、SWR計は、ダイヤモンドの「SX-200」を使用しています。
コントロールケーブルも無線機に接続。この段階で、無線機の「TUNERボタン」は、内蔵ATUの操作から外れ、コントロールケーブルに接続しているATUが制御されるようになります。
この時のTUNINGには、約5w程度の電波が発射されているようです。
テストしたいバンドの空き状況を調べ混信を与えることがないことを確認の上、無線機の「TUNER」ボタンを押すと、送信は短時間行われました。ココが一番緊張しましたが、何の問題も無く、チューニングが完了しました。3.5MHz帯から、全てのバンドについて行ってみましたが、全て約1秒でした。
バンド内のSWRの測定
まず、7MHz帯をやってみました。
バンド内でSWRが大変低くチューニングできています。最もSWRが高い7040KHzのあたりでも1.2程度です。
各バンドでSWRを測定してみました。
ほとんどのバンドで1.5以下でした。
CP-6Sの場合はかなり狭かったですが、CPATUでは比較にならないほど広帯域の様です。常時ATUがつながっているので、自動的にチューニングをとりなおしてくれるので、ほぼ【SWR=1】で使用できるので、送信では格段に有利になるはずです。
参考記事
今回の記事は、「第一電波工業CPATU設置方法解説&HF帯アマチュア無線運用屋外型ATU ICOM AH-730で使ってみた(ももチャンネル)」を参考させていただきました。
まとめ
今日は、ATU設置と実際にチューニングを取ってみたレポートをまとめました。
CPATUは、HFの各バンド、WACバンドにも簡単にチューニングがとれて、オンエアーできそうです。アパマンハムなんかでもCPATUは使えるかもしれませんね。
これからCPATUの検討をされているハムの皆さんの参考になればうれしいです。